【「信託」とは?】
自分の財産のこれからの管理の方法や承継の方法についての約束事を信託法という法律に基づいて決めておくものです。信託した財産は「信託財産」と呼ばれます。
日本の民法は、フランスやドイツの法制度を模して作られました。この制度では、個人が有する財産であっても、その使い方や承継先に関して、法律が一定の規制を入れることになっています。
たとえば、遺言を作ったとしても、遺言者の次に財産をもらう人しか指定できません。限界があるのです。
信託法は民法とは別の法律ですから、法定相続制度では叶えられなかった財産についての希望で、実現できることが沢山あります。
所有権という概念に慣れているので、違和感を持つ方もいらっしゃいますが、難しいことはありません。むしろ、積極的に信託を利用し、個人の決定権と自由意志が尊重されることを願っています。
【信託ではこんなことができます】
★財産の承継を2代3代先まで指定できる。
★遺言では、明確に財産の行き先とその割合まで決める必要がある。
→渡したい人は確定しているが、誰に何をあげるか、その割合が分からない、変わる可能性がある。
→先に人だけ指定して、内容は後から決めるという内容の信託ができる。
★財産の承継について、受け取る方が未成年の可能性がある場合
→相続が発生してすぐに財産を受け取るのではなく、成年に達してからその人に財産が行くような設定ができる。
★不動産の所有権が持分で細分化されそうな場合
→信託により「名義」と「権利」を分けることにより、「名義」を1人に集約させ、管理処分はその人のみで行えるようにできる