遺言で不動産をだれかに相続させたい場合は、不動産の特定の仕方は
「土地①所在②地番③地目④地積
建物①所在②家屋番号③種類④構造⑤床面積」
です。(住所=住居表示ではありません)
ところが、沢山不動産がある場合に「どこどこ他関連する土地!」とか「練馬の土地!」など、明確な特定にならない記載の仕方のものがあります。
同じように、不動産についてふれてませんが、不動産の遺贈も暗に含むものとして「リゾートクラブ会員権」があります。
例:「〇〇リゾートマンション会員権を〇〇に相続させる」
リゾートマンション施設の利用を目的とした「会員権」には、その施設との契約による「権利」ですが、財産的価値を高めるために所有権もセットになっているものがあります。
会員権の売買と同時に、施設の一部所有権の移転も行われ、原則「利用権」と「所有権」を単独で売買することはできません。
先ほど例にあげた「会員権」の相続は、暗に不動産の所有権についても含んでいるという訳です。
ただ、会員権といっても、所有権とセットになっていないものもありますから、その内容について別に証明する必要があります。具体的には「施設との契約書」「パンフレット」「申述書」などです。
「申述書:遺言書に記載のある〇〇とは、下記不動産の共有持分を内容とするもので間違いありません。」
法務局は、「形式的審査権」といって、登記申請に必要な添付書類が法定されており、それに不備がなければ形式的に審査するのが通常です。遺言書についての補足や説明は、この形式的審査権から外れますので、「相続人全員からの」説明と「申述書」が必要になり、申述書には全員の実印と印鑑証明を付けます。
形式的審査権から外れるということは、「必ずこうすれば登記は通る」とは限らないため、その時の判断によるところが大きいです。その方がどういうつもりで遺言をかいたのか推察し、周りの相続人が本人の様子から間違いないことを保証し、客観的にみても間違いないと判断されれば申請できます。
一概に「不動産の表示」がないから全部ダメではありませんが、せっかく書くなら、明確に簡単にその通り手続きできるものを残すべきでしょう。自筆であっても、「暗に示す」とか「家族であれば分かってくれる」ではなく、客観性が求められるということです。
和紙のお礼状のぬくもり。書道の先生でもあり、書道作家でもあります。手書きはいいですね。自筆証書遺言も、このように和紙に筆で「作品」として大変素敵なものも多いです。お手紙はお手紙として伝えるにはとてもいいと思います。私も、完了後の書類をご返送する際は、送付状に手書きのご挨拶を添えることを心がけています。