公告方法を官報以外にするといいこと(ダブル公告による催告の省略)

会社経営において、会社の株主や役員以外にも、その会社に利害関係を持つ人がいます。
例えば、取引先で未払いの債権を持つ人。会社が、その会社の資産を減らす方向の決定を勝手にやったら、「ちょっと待って」と意見を言いたくなりますよね。
*例えば減資。(資本金の額の減額です。)
*例えば吸収合併です。

現状問題があるから、吸収合併をする必要があるので、吸収合併の相手が、赤字続きの債務超過である可能性は大いにあります。
その場合、債権者も不利益を被る必要がある訳です。

したがって、会社がそのような決定をする場合は、債権者にもそれに反対する権利が認められています。

【減資の場合】
会社法449条二項
「会社債権者が異議を述べることができる。この場合には、会社は官報に公告を出し、かつ知れてる債権者には格別にこれを催告したければならない。ただし、異議を述べる期間は1ケ月を下ることができない」

①官報という政府発行の新聞のようなものに、減資をする旨を公告すること。
②それに加えて、知れてる債権者には個別に催告をすること(反対の場合はいついつまでに申し出てくださいという内容のお手紙を送ること)

をする決まりになっているのです。これを「債権者保護手続き」と言います。

そして、第三項。
官報に加えて、自社が定款で決めた公告方法でも公告をすれば、「各別の催告」を省略できると定めれています。
例えば、「電子公告」とか「日刊新聞」とか、公告方法がありますが、
*官報+電子公告、*官報+日刊新聞 など、2つの方法で公告をする(ただし、自社の公告方法として定められている方法により)と、各別の催告を省略できます。

会社によりますが、知れてる債権者が沢山いる場合、全員にお手紙を送るのはとても大変というケースがありますので、その場合は、大変便利な規定といえます。
そういうことが想定される場合は、最初から公告方法を「官報以外」にしておくべきでしょう。

ちなみに、会社を解散した場合の清算手続きの場合も、債権者へお知らせする必要があります。
これは、清算手続きの中で、自己が債権者であることを申し出るためのお知らせですが、 前述の「減資」や「吸収合併」と似た規定ぶりになっています 。(会社法499条。官報に公告+知れてる債権者への各別の催告)
自分の債権が未払いのまま清算手続きが完了してしまっては困ります!
ただし、この場合は催告期間が「2ケ月」となっております。
また、清算会社の場合は、ダブル公告による各別の催告の省略の規定はありません。
公告だしても、債権者が意識してチェックしないと見落としますから、個別にお知らせするという確実な方法がとられています。

会社設立の際、お客様に公告方法を決めていただく必要があります。
その際にご参考にしていただけましたら幸いです。

スタバカードがかわいい。新しいピアス、プレゼントしていただきました。
大変なことも多いですが、幅広く、たくさんのことを自分から求め、知っていく気持ちをもって、頑張ります。これは、自分が憧れる人の言葉で、いつも思ってます。

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