家族信託が組成できるご家族って素敵

民法上の契約行為をする際に契約書を作成すると思います。
特に、些細な約束であっても、契約書を作ると「世知辛いなぁ」とか「信頼してないのかなぁ」とか急に関係性に壁ができるような気持ちになりませんか。

それはなぜかというと、これらの契約書は「万が一、その契約が反故にされた時」のために作成するものだからです。万が一ではあっても、約束が破られることが前提としてあるものなんです。
実際、それが表に出るのは、そういう場面ですよね。「あの時、ちゃんとお互いが納得してハンコ押したじゃない」その証拠としての契約書な訳です。

後見も、大変残念ながら、後見人による横領などがあるから、家庭裁判所の監督下に置かれる訳です。
監視役ですね。報告義務があるだけでも、抑制機能が働きます。

一方家族信託のメリットとして、「裁判所がうるさく言わない」というのがあげられることがあります。裁判所とは無関係なので、うるさく言う訳がないのですが、じゃあ逆に「もし、受託者がちゃんとしてくれなかったらどうなるの??」という疑問や不安が湧く方がいらっしゃるかもしれません。

結論からいうと、そういう方は、信託してはいけないのです。「信じて託す」訳ですから、その間には既に「全幅の信頼」があることが必要です。
例えばおじいちゃんおばあちゃんが「難しいことは全く分からないけど、息子に全部任せる」と一任しているご家族、いらっしゃいます。「あの子なら大丈夫」「あの子に任せたい」そういうご両親は、恐らく子供が横領することなど、1ミリも疑っていないと思います。むしろ子供を良く理解し、尊重し、心からの信頼があり、だからこそ、何もかも全て任せることに全く抵抗を感じません。

そういうご家族にとっては、監督する人など最初から不要な訳です。信託では、監督する立場や決定する権限を持つ人を自由に設定することは可能ですが、必須ではありません。
最低限「財産を託す人」と「託される人」がいれば、成立します。

家族なんだから当たり前ではないんですよね。そういう信頼関係を築く努力がお互いにあったのではないでしょうか。家族信託の仕事をして、接する私もとても温かい気持ちになることに気づきました。
心から信頼できる方は、本当に素敵だといつも思います。

私はお菓子作りが好きですが、ずーっと捏ねるとか「作業」が嫌いです。
子供はかぼちゃの塊からペースト状にするのも、粉っぽかったものを上手くまとめるのも、黙々ととても上手にやってくれる。集中して静かだし、焼きあがると嬉しそうだし、いいことづくめなので、小さいお子さんがいるママさんは休日に是非やってみてください。卵を割って、黄身と白身に分けるのも、上手にやるんですね。いつの間にか成長したと思う瞬間。



This entry was posted in 信託.

コメントを残す