後見制度支援信託

昨日、任意後見制度支援信託についてお話しましたが、後見と信託については「後見制度支援信託」の方が有名です。
そして2文字違いです。

ですが、使う場面や制度の仕組みは別の制度です。

まず、後見制度支援信託では「成年後見」「未成年後見」の場合に使われる制度です。
成年後見の場合は、もう既に認知症になっている方がいて、その方の生活に支障がでるために申し立てがされます。
未成年後見も同様、親権を行うものがいない場合に申し立てがされます。
どちらも候補者を立てることができ、未成年後見の場合は親が遺言で指定することができます。
ですが、ご本人が、自分の後見人を選ぶ制度ではありません。

後見の候補者として、専門職(弁護士、司法書士)を指定することもご親族を指定することも可能ですが、必ずその方に決まるかどうかは分かりません。家庭裁判所の判断によります。
そして、この制度でご本人の親族が後見人に指定された場合にその財産の管理を監督するために家庭裁判所がとっている制度として、「後見制度支援信託」か「後見監督人」です。
後見人選任の審判と同時に、信託や監督人の利用を指示されることが多いです。

500万円~1000万円財産があると、指示される可能性があると言われています。
「後見制度支援信託」は銀行との間で信託契約をする訳ですが、一般のご親族だと難しい場合もあるので、まず、その信託の組成まで専門職後見人が選任されて行い、その後親族後見人がひき継ぐということになります。
そして、銀行に預けた財産を引き出す場合、その申請を後見人が行い、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

お金を引き出すのに、誰か別の人の許可を得る。誰か別の人の監督がつくということで、後見人単独判断を避け、不正を防止する目的があるのです。

ただし、これらはあくまでご本人が認知症になってしまった事後的な制度であり、任意後見では使えません。
従って、ご本人が自分で後見人を定め、自分の意思で信託の制度を利用する場合は、昨日ご説明した任意後見制度支援信託が有効です。



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