会社設立の業務で、過去一番多くされた質問は「株式会社と合同会社、どれくらい費用が違ってくるの?そもそも両者の違いって何ですか」です。それぞれの場合で見積もりを作成すると大抵「結構費用は違うのね。じゃあ、合同にしようかな。認証(定款を公証人にチェックしてもらう)要らないし」となります。
合同会社とは持分会社の一種で、設立手続きだけみると手軽で費用も安く抑えられます。ただ、そこだけで選ぶのではなく、自社を将来どのようにしていきたいかに合わせて決定することをお勧めしています。設立時はどの会社も数人の出資で、経営するのも数人の小規模なことが多いです。しかし、将来どんどん資本金、従業員を増やし、大きくしていきたいのか、あくまでも個人経営を守りながら続けていきたいのか、考え方は大きく分かれます。合同会社は家族経営向きで、出資者や経営者にあまり変動がない場合に向いています。出資者が増えたり、減ったりする度に定款変更や、変更登記申請が必要となる可能性が高いです。そうなると、設立時の費用は抑えられても、トータルでいうと登記費用は逆に多かったということになりかねません。
株式会社についてはなじみのある方が多いと思いますが、持分はどういう性質のものなのか、比較しながらご理解いただいた上で手続きを進めていきたいと思います。