死後離縁による効果

実際の子供でなくても、養子になれば親子関係が生じます。
従って養親が亡くなった時は、養子は相続人になります。

そして、双方の合意で離縁した場合には、親子関係はなくなりますから、相続人ではありません。

さて、民法では、養子による親子関係のうち、片方が亡くなった時も、離縁が認められています。

811条⑥ 縁組の当事者の一方が死亡した後に生存当事者が離縁をしようとするときは、家庭裁判所の許可を得て、これをすることができる。(死後離縁)

死後離縁は亡くなった後に、家庭裁判所に申し立てをして行われるものです。
そして、相続は、亡くなった時点で起こるものです。
離縁をすると、それ以降の親子関係はなくなりますが、遡って養子であったことをなかったことにはできません。

従って、死後離縁をしたとしても、養子は養親の相続人になります。

婚姻関係も、相手が亡くなった後に婚姻関係終了をすることができますが、(民法728①)相手が亡くなった後にわざわざ別れるのは、親族には扶養義務があるためです。

ご参考までに条文です。
民法730条 直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。
民法877条 ①直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
       ②家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親 
        等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。

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