特定の株主からの自己株式の取得(合意取得)

平成13年前商法改正前は、株式会社において発行した自社の株を株主から会社が取得すること(自己株の取得)は原則禁止されていました。
これをすると、株主の構成が変わり、議決権を持つ他の株主や債権者に影響が出るためです。
改正後は原則自由にできるようになり、逆に議決権をコントロールするためであっても認められています。(自己株=金庫株といいます)実際、利用する会社も沢山あります。

自己株はすでに発行されている株を会社が買い取る手続きですので、発行済みの株式の内容について変更はありません。
株の対価として会社からは財産が支払われることになります。
この財産がたとえ現金であっても、財源規制があり、資本金や準備金から支払われることはできません。
これらは会社運営に必要な資本であるため、勝手に減らすことはできません。
株の配当と同様、剰余金がある場合に、ここから支払いが行われます。
余力がある場合にできる行為です。

したがって、自己株を取得したからといって、発行済みの株式が増えることもなければ減ることもありません。
資本金に変化が出るわけでもありません。
登記事項には何も影響がでない訳です。

ただし、株主の構成は変わりますから、自己株取得の決議の旨、その決定を株主に通知した旨の書面などは残しておく必要があります。

取得した自己株を消却する手続きをすると、発行した株式の数が変わりますから、その際に登記が必要になることになります。しかしこの場合であっても、資本金の額は変わりません。
発行した際に資本金として取得した資金をもとに運営して出た利益である剰余金を対価として、自己株を取得している訳ですので、償却しても、当初取得した資本金が消えるわけではないからです。

【自己株式の取得】(ご参考)
・特定の株主からの自己株取得に伴う通知(株主各位宛)
・議案の追加請求権
・株主総会議事録
・取締役会議事録
・特定の株主への取得通知
・株式譲渡申込書

【※さらにちなみに、自己株取得の対価として、会社名義の不動産を株主に交付する場合の不動産登記】
「登記の目的  所有権移転
 原因     年月日交換
 権利者    A
 義務者    株式会社〇〇   」
原因が「交換」となることに注意が必要です。
取得した自己株式の対価として、同等の価値のある不動産を取得したのだから、「交換」ということです。

それ言ったら、売買だって現金と同等の価値のある不動産を取得したのだから、ある意味「交換」ですが。
登録免許税は1000分の20で一般的な移転登記と同じです。

「共有物分割」の登記のように、相互に移転しあう「交換」の場合は同じ価値の部分まで1000分の4ですね。

自己株の取得は実務では多いですが、対価が現金のことが圧倒的に多いです。
不動産の方はおまけです!

毎年、誰かしら七五三だし、誰かしら入園だし、何かに該当します。隣のものは三年前。長女が三女よりも小さいです。

絵本には、生まれたころ、少しずつ大きくなって、お祝いをする感謝が描かれています。
昔は、七五三の歳まで大きくなるのも当たり前ではなかった。大切な七五三の絵本。泣ける







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