親なき後問題!

障害を持つお子様がいるご家庭のご両親は、お子様のことが大変ご心配と思います。
ご両親と、子供A、子供B、子供C のご家族がいたとします。
子供A:しっかりしている。Bの世話を頼みたい。
子供B:知的障害(妻子なし)
子供C:素行が悪く、はっきり言って問題児

たとえ話なので、3兄弟で極端ですが、相続対策で良く言われる①遺言②後見だと発生する問題について考えます。

①負担付の遺言にした場合、(つまり、AさんがBの面倒を見る代わりに財産を取得するという内容の遺言)万が一ですが、相続が発生した時にAがどうしても負担を履行することが難しい状況で、面倒を見なかった場合。
通常、負担を履行しないことを理由に遺言の無効を訴えることが可能ですが、今回Bにそれができないのです。

ご両親が信頼しているAにそういうことが起こるというのは、最初から想定するのは心苦しいですが、物言えぬBさんが守られないリスクは可能性としてある訳です。

②財産をBにあげることにして、Bさんの財産は後見人に管理してもらう。
財産の所有権をBに移してしまうと、その先の相続に問題が生じます。ご両親はCさんに相続させたくないと考えています。Bさんに意思能力があれば、Bさんが遺言を書くことで、解決しますが、Bさんにそれができない以上、法定相続人であるCさんに財産がいくことを防ぎようがありません。
たとえ、両親が次の財産を渡す人の先まで希望を持っていたとしても、遺言で指定できるのは、次の人のみです。
ご両親の遺言で、Bさんの後の相続までを指定できることができません。その先はもらった相続人が自ら遺言を書く必要があるのです。

と言うことで、こちらも問題ありです。

このようなパターンの時に信託が進められるのは、①でも②でも問題がある為です。
信託には、受益者代理人という制度があり、利益を得る受益者(この場合Bさん)の権利を代理人が行使できます。受益者の保護、支援をしてくれる人です。①の方法よりご両親が安心できるのではないでしょうか。

ご両親がご長男に財産を託します。ご長男はその財産をご二男の生活の為に管理します。

信託をご希望の方でも遺言や後見などで、信託までしなくても解決できるケースもございます。
今回のように、障害をお持ちのお子様がいらっしゃるようなケースは、遺言でも後見でもなく、信託が効果的なケースです。

色んな葛藤があり、悩みもあり、それでも、元気で笑うから、ま、いっか。とそう思える。元気で有難いです。

This entry was posted in 信託.

コメントを残す