一身専属権と差押。そして不動産の差押

銀行からの融資が返せなくなったり、税金の滞納があったりすると、最終的には、その人の持っている財産を強制的に換金して返済に充てることになります。
これを「強制執行」と言います。

強制執行は、お金を払う義務のある人(債務者)の財産しかできません。
その為、債務者が名義を変えてしまわないように、処分を制限することがあります。
これが「差押」です。強制執行をやり易くするための措置とお考え下さい。

その人が持つ「所有権」には、「処分権」と「使用収益権」がありますが、制限を受けるのは「処分権」の方です。差押をうけても、強制的に換金されるまでは、使用収益はできます。

さて、どんな財産が差押の対象になるのでしょうか?
差押といっても、全財産が差押になる訳ではありません。
最低限必要な現金や、衣類寝具、給与や賞与・退職金などの4分の3までは差押できないことになっています。

また、債権の中には、「その人しか権利行使できない」債権があります。
例えば、相続の時の「遺留分減殺請求権」(相続人に認められた最低限の財産を受ける権利)
離婚に伴う「財産分与請求権」。「慰謝料請求権
つまり「本人しか請求できない権利」です。
これを「一身専属権(いっしんせんぞくけん)」と言います。

これらの債権は、そもそも、その人からしか請求できない権利です。つまり、滞納している債務者以外の人が強制的に換金することができない権利です。
したがって、これらの債権も差押できません。

ただし、ひとたびその請求権を行使して、それが「金銭債権」になった後は、だれでもそれを請求できますから、差押が可能です。

一身専属権の中でも、「扶養請求権」は、その目的から権利を持つ人にその利益を享受する理由があります。したがって、たとえ「金銭債権」になったとしても、給与債権と同様、その4分の3は差押できません。

なぜ、本日差押のご説明をしたかというと、、良く登記簿で「差押」を目にするんです。

というのも、不動産は、差押しやすい財産であるからです。

謄本には①表題部:建物であれば所在、構造、床面積など、どのような不動産かのる部分
②権利部(甲区):所有権に関する権利がのる部分
③権利部(乙区):抵当権などの担保権がのる部分

とありますが、差押があるかどうかは②の所有権に関する部分にのります。
所有権移転を制限するという意味で所有権のところに載るんです。

この記載があるということは、もうすぐ「強制執行」される可能性があるということですね。
ちなみに債権者が行政である差押は税金を滞納してる場合がほとんどです。

また、、次回に続きます。

ねこやなぎ。ねこちゃんが飼いたいけど、難しいみなさん。ねこやなぎの触り心地が、ねこなでてるみたいです。ねこやなぎで、オキシトシン向上効果はあるでしょうか??ちょっと幸せな気分になりますよ(笑)もうすぐニャンニャンの日です。





5 comments

  1. いわま相続不動産コンサルティング says:

    レベル高い。。
    いつも勉強になります🙇‍♂️
    ニャンニャンの日って、ニャンだ🙀❓

    • 小林 恭子 says:

      修ちゃん。2月22日。この日は「日本ねこねこ協会」みたいな法人設立の設立日にして欲しいというご希望が毎年のようにあるんです(笑)

  2. 小川高幸 says:

    差押、謄本でよく見ますね…
    3/4差押出来ないは知りませんでした。  
    勉強になるなぁ(^^)
    しかし差押されるまでに任売するとか動いてほしいですね。

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