私が後見をしている方は完全認知症です。
多分、お花畑の中をふわふわと別世界に生きています。
お会いすると、にこっと微笑む感じではにかんで、その後は小さい声でブツブツつぶやいています。
常にニコニコほほ笑んで、発しているのは「ありがとう。ありがとう」って言葉なんです。
これってすごいことだと思いません?自分が認知症になった時、発する言葉が怖い。
心にもない言葉は言わない。心から感じて、向き合いたいと思います。
ご相談者様は一番左の「妻」で、ご主人を最近亡くされました。(数字は亡くなった順番です。)
それをきっかけに、義父の相続の際、全く何もしていなかったことが発覚!
義父の不動産の名義を書き換えようということになりました。
【義父の相続人】義父が亡くなった時:義母と夫です。
→その後、分割協議をしないうちに夫が死亡。これは数次相続です。
→夫が相続したハズの相続人としての立場(遺産分割する立場)は、夫の相続人(妻と子2人)に引
き継がれます。
→遺産分割協議は、義母、妻、子2人によって行われ、その結果不動産は妻が相続することになりま
した。
義母は高齢でしたし、義父母の実子は2人ともいませんから、そこはすんなりそうなりました。
そうなると、その不動産は理屈では夫を経由して妻に相続されたことになり、夫の相続財産に加わることになります。ご依頼者様ご夫婦は、賃貸にお住まいで、あまり財産はありませんでしたが、結果相続税申告の必要が発生しました。ご主人は生前、それを自分のものとは思っていなかったとしても、事後的に相続財産なんです。
ついでに義父の相続も、結果夫(図で言う兄)が相続することになり、夫(兄)の相続より基礎控除が低いですから、こちらも相続税申告することになりました。
不動産の他に、義父から夫(兄)へ、引き継がれた財産がもう一つありました。それが保険です。
相続税申告の際控除があるのは、契約者=被保険者が同一、受取人が相続人の死亡保険金です。
この場合、保険は受取人に直接支払われると考えられるため、相続財産ではありません。
今回は契約者=受取人=もとは義父、被保険者=義母の保険を義父が亡くなった時契約者と受取人の変更で夫(兄)にしていました。
被保険者はまだ亡くなっていませんから、死亡保険金は出ません。
「亡くなったら受け取れる権利。立場」が相続財産になります。
今回夫が亡くなったので、契約者=受取人を妻に変更することになりました。
この時の保険は、相続税の課税金額でいくらになるかというと、「解約返戻金」の額になります。
さて、ここで問題です。将来、義母がお亡くなりになったら、相続人は誰でしょうか?
義父の時は、死亡時には子供である夫(兄)は生きていました。
すると、兄の立場の相続がその後発生したと考えるので、相続人は兄の相続人である、妻、子、子ですね。
義母の時は、死亡時には、既に相続人である兄(夫)は死んでました。すると、代襲相続になり、相続人の子供、子、子、のみが相続人になります。
(民法887条 そのものの子がこれを代襲して相続人となる)
義父がお亡くなりになった時、子である夫(兄)も体調がすぐれなかったそうで、余裕もなく、大変だったとのことですが、せめて色々片付いてひと段落できたらと思います。
今日もお疲れ様でした。