登記申請には、登記義務者(権利を失う人)の権利証(識別情報)が必要ですが、紛失している場合はこれをつけることができません。その時の対策として、いくつか方法がありますが、その中の一つに「事前通知」というものがあります。
どういう制度かというと、識別情報を付けずに申請をしますが、この場合、法務局から義務者に「お尋ね」が来ます。
「あなたが権利を失うことになる登記申請が申請されましたが、ご存じですか。納得されてますか。間違いない場合は実印押して期限内に送り返してね」という内容です。
権利を失う本人が識別を提出して登記申請に協力していれば「勝手に出された」可能性が極めて低いと思いますが、それを出せない時は、もしかしたら義務者の知らないところで事が進んでいるのではないか、事件なのではないかという疑惑があります。
したがって、直接本人に郵送して聞いてみようという手続きが追加されます。
これが事前通知です。
義務者が個人の場合は、本人限定受取郵便で住民登録上の住所に送付されます。
もし売り主が施設に入って寝た切りだと、なかなかこの制度が利用できません。
一方、義務者が法人の場合は、少し緩くなります。原則、法人の本店宛に書留で送られますが、申請書に一言記載すれば、「代表者個人の住所」宛に送ることも可能です。
法人の代表者は常に本店にいるとも限りませんので、少し融通をきかせてくれる訳です。
ちなみに、売買の時の売り主が法人の場合、権利証をなくす可能性は個人に比べたらあまりありません。抵当権を抹消する時の抵当権の名義人(銀行)が権利証をなくす可能性もあまりありません。
なぜなら「仕事」としてやっている訳ですから、取引にも慣れているでしょうし、識別の保管もきちんとされているからです。
ところが、この法人も「事前通知」に協力いただくことがあります。
良くあるのは、抵当権抹消登記です。何年も前に完済をして、抹消登記に必要な書類は全部、一度お客様が預かった。でもそのまま登記を入れずに、お客様が紛失といったケースです。
識別情報や権利証は再発行ができません。
会社が亡くさなくても、一度お客様に渡したものをお客様がなくしたとしても、改めて準備することができませんので、この方法で抹消します。
今日のお花は結構大振り。お花であふれて生き生きしてます。また変わりひまわり。実は「なつはぜ」
みんなの七夕の願いが叶います様に。諦めなければ、絶対叶うんです。毎年七夕は、司法書士試験の時期!