最近、遺贈にかかわることがホントに多くて、検討する方が増えてきているということを実感しております。
前回の記事でみなし譲渡所得について書きましたが、遺贈を考える時に抑えておかなくてはならない大切なポイントです。
遺言者Aさん(相続人は子供Bさん、Cさん)は子供には財産を残さず、不動産と現金を法人へ寄付するつもりです。遺言書の書き方次第では、何も財産をもらわないBさんCさんに「みなし譲渡所得税」がかかることになりかねません。遺言書作成の段階で、注意が必要です。皆様が同様のことを検討している際には、士業の関与は必須とお考えください。
この場合、受遺者が法人のため、不動産を手放す人に「みなし譲渡所得」の課税があります。遺言者→法人への遺贈ですから、本来遺言者へかかるものです。この義務を引き継ぐのは相続人。
相続人は本来Bさん、Cさんですが、その遺贈が包括遺贈であれば、受遺者(法人)も相続人と同様の立場になります。したがって
①包括遺贈:納税義務者 Bさん、Cさん、法人(受遺者)
②特定遺贈:納税義務者 Bさん、Cさん
となります。①の場合、取得した財産の負担割合で税金を負担しますから、法人が負担することになりますが、②の場合は、もらう法人ではなく相続人にかかりますから、このケースは避けた方がいいでしょう。
もし、遺言執行者がいない場合は、登記の義務者もBさん、Cさんになりますが、お気持ちの上で、金銭的にも(②の場合)手間としても義務のみの相続人となれば、手続きに協力してくれない可能性もあります。
また、遺贈を受ける団体は、現金が欲しいことがほとんどなので、不動産を不動産のまま受け取らないことも多いです。その場合は、清算型遺贈といって、相続人が売却をした後に売買代金を寄付することになります。
ただ、不動産をあげたいといっても、具体的に誰がどのように手続きをして団体へ渡すのか、その場合の税務申告はどうするのか、検討事項が沢山ございます。
新しい環境、挑戦には勇気が必要。葛藤もあるけれど、変化によって得られるものもある!