個人情報の保護(住民基本台帳事務における支援措置と登記)

世の中には、DVやストーカー、虐待等で苦しんでいる方がいらっしゃいます。

その支援措置として、住民票を非開示にする方法があるのをご存じですか。
「住民基本台帳事務における支援措置」と言います。
(前提として居所を隠すために転居先を知られたくない方が対象です)

次にあげる法律に該当する被害者のための措置です。
DV防止法:配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律
ストーカー規制法:ストーカー行為等の規制等に関する法律
児童虐待防止法:児童虐待の防止等に関する法律

被害者の保護を図る責務を行政は負っています。

だとするならば、不動産の登記についても、住所を非公開とする対策が必要です。
・登記簿に、現在の居所が公示されることを防ぐこと。
・また登記申請の際の資料の閲覧の際も、住所などの情報を非開示にすること。

先にあげた「住民基本台帳事務における支援措置」の認定を受けた方は、「支援措置の決定通知書」をつけることにより、登記でも保護を受けることが可能です。

【登記における具体的な措置】
→の前が通常の取り扱い、後ろが支援措置を受けた方の取り扱いです。
・『買主の場合』不動産を購入した際は、住民票上の住所が登記される→住民票とは別の旧住所で登記が可能(平成25年12月12日 民二第809号)
・『売主の場合』不動産の売却の際、登記上の住所に変更があった場合は「住所変更」の登記を入れる必要がある(住所変更により、現在の住所が登記されてしまう)→住所変更をしないで売却が可能
(平成27年3月31日 民二第196号)

取引の安全性よりなにより、被害にあわれている方の心理的安全性を確保すること。守ることが最優先だと思います。
以前関わらせていただいたお客様でこの支援を受けている方がいらっしゃいました。
この制度のおかげで、元配偶者から守られている方でした。

職務上個人情報を沢山扱う立場として、また、誰でもが閲覧可能な登記簿の記載を申請するものとして、私も改めて、精一杯保護を図りたいと思います。そのための知識や情報についてもご提案していきたいと思います。

ご存じない方のお耳に伝わることを祈っております。

(ご参考)登記でたまに「DV防止法の方の登記」と聞きますが、DV防止法以外の最初にあげた法律に規定された被害者も同様の取り扱いがされるというのは、法務省からの通知で明確にされています。

この写真集、本当に素敵なんです。ただのバラの写真じゃなくて、全てが素敵。眺めているとやさしい気持ちになります。弱っている時も大活躍です。紙質から何から何まで、大好きな写真集です。

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