相続が発生すると、その財産をどのように分けるのか、話し合いをすることになります。
では、亡くなってから、その話し合いが行われるまでは権利関係はどうなるのでしょうか。
その期間は財産全体を「法定相続割合」で共有すると解釈されています。
そして、話し合いで相続人(全部子)ABCのうちAだけが単独で相続するとなった場合、その効果は遡って亡くなった時点から開始したことになります。
したがって、例えば株が99株あった時、この間の期間にABCそれぞれが単独で33株を持っていることにはなりません。1株を3人で共有してるのが100株あると考えます。
以前は金銭についてはこれと違い、現金だけは割れるもの(可分債権)だから、この期間の間は法定相続で分ける。(つまり99万円あったら、33万円ずつ)と解されていましたが、判例で株式と同様の取り扱いとされました。(最大判平28・12・19判時2333・68)
不動産は共有のまま持っている状態も現実的ですが、株式や現金1株や1円を全員で共有するという状態は、実際現実的でないのは、ご想像いただけると思います。
したがって、「遺産分割の話し合い」は必須です。株や現金の分け方の数を法定相続の割合どおりに分けるとした場合であっても、話し合いが必要ということになります。
ちなみに、株式の所有権には、財産としての価値と、株主総会での議決権を持つ権利も併せ持っています。その場合、「権利行使」については、共有者のうちの誰が行うのかという規定が会社法106条です。
第106条 株式が共有の場合、共有者は権利行使する人1人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。
人と接していると、人間性を垣間見ることがあります。素敵な人には素敵な人が集まる。
自営業は大変ですが、人からの学びという面でも得られるものが格段に大きいです。