信託における受託者、受益者が複数いる場合

信託契約において、当事者である当事者が複数いる場合もあります。

・委託者(財産を託す人)  ・受託者(信託財産を預かり管理処分する人)  ・受益者(信託財産にかかる給付を受ける人

今日は主に受益者が複数いる場合についてご説明します。

信託財産は何も一種類になるとは限りません。例えば
・居住用不動産   ・投資用不動産  ・現金(預金債権という債権には、通常譲渡禁止特約がついている為、債権ではなく現金とします。)

そして、それぞれの信託財産につき、受益権の内容は違いますよね。
居住用不動産であれば居住する権利。投資用不動産であれば賃料収入を得る権利。などなど

契約書では、それぞれどのように受益権を有するのか持分を定めます。
それぞれにつきということは、受益権の内容ごとにAさんが〇割、Bさんが〇割ということです。
そうでないと、税務申告の際、具体的な数字が分かりません。
細かいですが、同じ権利について複数の人が割合を決め利益を得るのは「受益権の共有」であり、別々の権利についてそれぞれAさんBさんが単独で利益を得るのは、受益者が複数いるということになります。

これを登記するかについては、見解が分かれるところです。
法定の登記事項ではありません。
参考)不動産登記法97条一 受益者の氏名又は名称及び住所

ただし、受益権の割合は、信託の大きな要素なので、登記されているものもあります。
管轄によっては、対応が分かれるようです。

信託内で、受益権の割合を変更することにより、みなし贈与をするケースなどでは、持分の割合を登記した場合はその度に登記が必要になるでしょう。
逆にいうと、登記がない場合は、手続きが不要になります。

ちなみに、受託者が複数いる場合は、共有受託者の共有の形態は合有となりますので、この場合は持分の概念はありません。不動産を信託した場合は、受託者名義に不動産の所有権が移転することになります。
信託関係ない単なる移転であれば持分を記載しますが、信託で移転する場合はその記載はありません。

みると涙がでる


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