民事訴訟事件①

約半年に渡り代理人として携わってきた裁判が終結しました。つくづく、裁判は戦いだと思います。お互いのケンカには、その人なりの理屈や原因があるので、それをどう裁判官に訴えるか作戦をたてる必要があります。
お客様にまずご理解頂きたいのが、裁判は長い。次回期日は1ケ月後以降になることが多く、申立てから終結までは、長いものだと何年にも及びます。そして、裁判官や書記官は忙しい。1つの事件に、専門分野や専門知識を改めて勉強する時間や、丁寧に大量の資料を読み解く時間はありません。普段のお仕事で、迅速に対応することに慣れていらっしゃる方にはもどかしく感じられることが多いと思います。その長い裁判の中で、どういう論理で主張をするか、いつ証拠を出すか、少しでも心証を良くするために細心の注意を払う必要があります。
結論を急ぐお気持ちは良く分かりますが、感情的な発言や行動が不利に働くこともあるかもしれません。ですから、まずは長期間裁判で戦う心構えを持っていただきたいと思います。

東京の裁判所は、霞が関にあり、目の前は都会のオアシス、日比谷公園が広がっています。オフィス街の中の公園で、ランチをしたりのんびり過ごす方が多い大好きな場所です。司法書士に合格した後の裁判研修の講師の先生が、「裁判の後は、何か重たいものを背負ってもやもやと考えながら、公園を歩くことが多い」とおっしゃっていました。今回、私も裁判後、何か腑に落ちない気持ちと、悔しい気持ちと、もどかしい気持ちで、公園を眺めました。今まで見てきた日比谷公園とは違う景色に感じられて、弁護士の先生がおっしゃっていたのはこういうことなのかなぁ、とふと思いました。
私の携わったのは民事事件で、一般の方でも起こりえる事件です。もっと大きな事件を扱っておられる先生方には及びませんが、普段の行いがきちんとした方が、客観的に裁かれてしまう厳しさを実感しました。皆さん、どんなことが起こるか分かりません。契約書等にサインする時はしっかり目を通し、理解した上で行ってくださいね。

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