管轄外本店移転

私もそうでしたが、新たに事業を始めようとしたのですが、なかなかいい物件が見つからず、探すより前に早く事業を始めたいという方が多いです。
事務所は、「気に入ったところにしたい」とか「競合他社があまりいないところにしたい」など、設立登記をした後で変更することも想定して、とりあえず設立されます。
そうでなくても、やってるうちに不都合も生じますので、本店移転は結構よくあります。

本店移転を検討する際、一番に考えるのは、「管轄外か」「管轄内か」です。これによって、手続きや費用が変わってきます。
(登録免許税はそれぞれ3万円。同じ管轄だと3万円)
当たり前ですが、法務局の管轄は、行政とは違います。都内であれば、法人登記も不動産と一緒で、比較的いろんな管轄に分かれていますが、地方に行けば行くほど、不動産は管轄沢山あっても商業は県に一つ、その県の本局のみだったりします。(神奈川だと湘南か本局か)

管轄が違う場合は、旧本店の管轄と新本店の管轄宛てに、それぞれに申請書を作成します。でも出すのは一ヶ所なんです。とっても便利な制度です。A→Bへの移転であっても、AにAB分両方を同時に申請すればいいんです。(経由同時申請)旧管轄で手続きが終了すると、移転先の管轄に書類を回してくれます。
流れとして、まず「転出」の手続きをしてから「転入」の手続きをするのが自然ですので、万が一同時に出して移転先の方が手続き先に進んでしまうとおかしいですし、旧管轄の方で書類に不備があり、登記が受け入れられなかった場合なども問題が生じます。
逆に先に「転出」だけした状態で、「転入」をそれぞれ申請により出してもらうと、その間空白の期間が出てしまうかもしれません。

ですので、それぞれの登記の進捗具合を気にすることなく、後はお任せできるのです。

管轄外の移転では、新本店の管轄登記所に改めて印鑑の届け出をする必要があります。設立の際は印鑑届出る際、代表者の個人の印鑑証明書を一緒につける必要がありましたが、本店移転の場合、今までと印鑑が変わっていなければ印鑑証明書をつける必要はありません。

また、旧管轄の登記申請の際、ついでに本店移転と全く関係ない登記も申請することができます。(「目的変更」とか「代表者の住所移転」など)

商業登記の申請は案件毎に大きな税区分が決まっていて、その区分と別の登記をした場合は、それぞれ登録免許税がカウントされますので、同時申請しても、何度も申請しても、印紙代はあまり変わらないかもしれません。ですが、せっかくなので、同時に出してしまいという想いと、ささやかな手間は省けますので、できれば同時に出しましょう。本店を移転するということは、その会社にとっても節目な訳で、本店だけでなく、内容も一新するというケースも多いです。

同じものが、3っついる。。。

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