マニアックな戸籍の読み方講座ーその②

とある方のお生まれからお亡くなりまで戸籍を集める必要があり、遡っていたところ、途中で途切れました(泣)
通常転籍する場合も「どこどこへ転籍」。転籍してできた戸籍にも「どこどこから転籍」という記載があります。この「どこどこ」というのが前後の本籍と筆頭者。その記載を頼りに前後をとっていくワケです。今回私が行き詰ったのは「なんとか宮第弐女年月日勅許により婚嫁」という記載。この方父母の欄にも「なんとか宮」とあって、つまり元「皇族」なんです。

皇族の方々には戸籍がありませんので、婚姻により初めて一般の戸籍ができました。したがってこの前の戸籍はとれません。「どうするの?」と一瞬迷いましたが、一般の方でも例えば戦争で燃えてない場合は「ないものは仕方ない」という対応をしてもらえるため(廃棄証明はつけます)、とれるところまで取って、法務局に出しました。

一生分戸籍とる理由としては、「子供を漏らさないため」という目的があります。婚姻後の戸籍だけとっても、実はその婚姻は再婚で、前婚の時他に子供がいたら漏れてしまう。そのため、一生分をとる必要があります。皇室の方は婚姻によって皇室を離れ、例えば離婚してまた皇室に戻るというのは、日本ではない(だろう)から、一般人になってから以降のものをとれば、恐らく相続人は漏らさないだろう、という思いもありました。

でも、ダメでした。。

戦火で燃えた場合は、どこをどう捜してもないから、つけられませんが、皇室の方の場合、一般人の戸籍にあたる「皇統譜」というものがあります。その「記載事項証明書」を宮内庁に請求する必要があるそうです。

そして、これは、何のために必要なのか、説明する必要性から、まず法務局が「登記手続きでどうしても必要なんです」という根回しをしてくれます。(気軽に取得するの防止)根回しが済んで許可がおりたら、改めて請求するという流れです。

宮内庁の請求は、、数か月かかります。。
ちょっと、メンドクサイ。。でも、日々相続登記は何百件やっていて、それでも「初体験」のことが起こると、わくわくします。嬉しい。

ちなみに「勅許」というのが、結婚のお許しみたいなもので、「勅許による婚姻」という表現は皇室の方々に使う言葉だと思います。そして、この戸籍には「婚姻」ではなく「婚嫁」と書いてある。通常「婚姻」の記載を多く見る気がしたので、これも「皇室だから婚嫁」という記載なのかと思いましたが、「婚嫁」という言葉自体は、皇室に限ったものではなく普通に「とつぐ」意味みたいです。

のどかだ。。

趣味でも仕事でも、勉強でも、何でも奥が深い。入ってみると意外と広い建物みたいに、どんどん進むと、どんどん広がっていく。極めるってすごいなぁ。
私は趣味でも上達が感じられるものが好きです。難しいと思ったことが、だんだんクリアできるようになると、その経験って他にも役立つこともあり、仕事でも参考になったりします。

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