相続人の中に認知症の方がいた場合に成年後見人をたてて遺産分割協議をするということは良く知られています。
実は成年後見は制限行為能力者の類型の1つにすぎません。事理弁識能力のレベルにより、
・成年被後見人:事理弁識能力がない
・被保佐人 :事理弁識能力が著しく不十分
・被補助人 :事理弁識能力が不十分
と3段階あります。
成年後見人はご本人に全く能力がないため、常に代理するしかありません。
では、被保佐人、被補助人が相続人だった場合、遺産分割協議はどのようになるでしょうか。
制限行為能力者制度で、代理権と同意権がどうなっているか確認してみましょう。
・成年被後見人:代理権〇
同意権ナシ(本人は何もできないため、同意のしようがない)
・被保佐人 :代理権〇(付与の審判があれば)
同意権〇(民法13条1項2項について当然に同意権あり)
・被補助人 :代理権〇(付与の審判があれば)
同意権〇(付与の審判があれば)
民法13条1項の同意を要する権利には
・相続の承認・放棄
・遺産分割
・贈与・遺贈を拒絶すること(贈与・遺贈を受けることは含まれない)
・負担付贈与・遺贈を受けること
が含まれます。
これらの行為には同意が必ず必要になるので、被保佐人が遺産分割協議をする場合は、保佐人の同意が必要です。
また、保佐人の代理権、補助人の同意権、代理権は、保佐人補助人がついたからといって自動的に認められる訳ではなく、別にそれぞれの審判があれば認められ、その権利の対象となる行為も同時に定められます。
遺産分割協議について同意が必要、または代理が必要と認められた場合は、それぞれ保佐人補助人の同意や代理が必要になります。
本日のわたくし。雨上がりっていいですよね。昼間はひどい雨でしたね。