信託において、その信託財産から得られる利益を享受する権利が受益権です。
例えば、投資用不動産と信託した場合は、賃料を得られるのは受益者です。
不動産は、所有権を移転すると意外と諸経費(不動産取得税、登録免許税)がかかるのです。
ところが、受益権の譲渡は、移転ほど経費がかかりません。
これを上手く活用するというご提案もあります。※場合によります。
信託の受益権は基本譲渡可能です。(信託法93条①)
ところがこれを禁止し、制限する旨の契約をすることもできます。
まずは、信託契約の内容を確認しましょう。
そして、譲渡(売買や贈与)契約書、と受託者の確定日付ある承諾書を作成します。
これで完成です。
さて、登記はどうでしょう。
不動産の登記簿の謄本の表題部や権利部に、受益者は載りません。
どこに記載があるかというと、信託目録なんですね。
この信託目録の記載を変える時も、表題部や権利部の記載を変える時のように、登記申請をすることになります。
この信託目録を変える旨の登記は受託者からの単独申請です。
「 信託目録記載申請書
登記の目的 受益者変更
原因 令和 年 月 日売買
変更後の事項 受益者
住所 B
申請人(受託者) 住所A
添付書類 登記原因証明情報 代理権限証明情報 」
ちなみに、登録免許税は、不動産1個につき、たった1000円です。
普通に不動産を移転したら、評価額によりますが、数万円、場合によっては数十万円はかかります。
以上、不動産の所有権の売買と、受益権の売買。そこから発生する利益を享受する権利に関しては、両者はほとんど変わりませんが、手続きや経費は随分違う!というお話でした。
この写真をみて、上のコピー用紙のブルーが気になりましたので、別の場所に避難しました。
仕事に前向きな人と前向きな人がお互い協力し合うと、思いがけない効果が生まれます。
皆様にお越しいただく機会も増え、何かお互いにとっていいことを発信し続けられる場所にしたいと思います。