ご夫婦で不動産を購入する場合のお話です。
住宅ローンを組み抵当権をつける場合に、2通り方法があります。
・【ペアローン】「債務者 ご主人」「債務者 奥様」となってそれぞれ融資を
受ける。
→抵当権は2本つきます。
細かい話ですが、1番(あ)、1番(い)と同じ順位になることが多いです。
・【収入合算制度】「連帯債務者 ご主人と奥様」となり、お二人で融資を受け
る。
→抵当権は1本です。
債務者2人いますが、2人で1人のイメージで、収入を合算してローンを組み
ます。総額いくらの債務かが登記され、個別の債務がいくらかという概念はあ
りません。目安として、負担割合があります。
さて、不動産を2人で購入する場合、持分で登記します。
この持分をどうするかというご質問を良くされます。
原則出資割合です。融資がなければ、4000万円の不動産を3000万円と1000万円出資して購入したら、4分の3と4分の1です。
では、4000万円の不動産を頭金1000万円(ご主人400万円、奥様600万円)、夫が2000万円、妻が1000万円のペアローンで個別に借りた場合
ご主人 頭金400万円+住宅ローン2000万円=2400万円
奥様 頭金600万円+住宅ローン1000万円=1600万円
結果、持分割合は夫2400万円、妻1600万円=3:2
登記では5分の3、5分の2と登記されます。(何%という表記はできません)
では、収入合算制度を利用して購入する場合、持分はどうなるでしょうか。
総額4000万円の融資を2人で受けた(連帯債務)。
そうすると、それぞれの負担割合はお2人の負担割合によることになります。
仮にそれぞれの年収がご主人600万円、奥様400万円だとすると、
4000万円のうち、2400万円がご主人、1600万円が奥様ということになります。
ここからは余談ですが、住宅ローンでは団体信用生命保険(団信)とセットになっていることが多いです。もし、債務者が亡くなられた場合、保険金がおりて、債務が完済となります。先の例で収入合算のケースだと、夫婦お2人で団信に入ることができます。ペアローンだと、夫婦のどちらかが亡くなっても、その方が債務者となっている抵当権しか抹消できず、もう一方の債務は引き続き残ります。
2人で団信に入った場合、夫婦のどちらかが亡くなると全額弁済されますので、残された者にとってはとてもいい制度だと思います。