相続人不存在の場合、財産はどうなるでしょう?と聞かれたら、答えられるでしょうか。
良く話題になる、「最終的には国庫に帰属する」です。
正確には、「相続財産→相続財産法人になる+管理人がつく→本当に相続人いませんかの広告→特別縁故者(相続人でないけど、財産をもらうべく貢献した人)を募集→それでも誰でもいない→国庫に帰属する」です。
この流れ、手続きがとっても長いんですよ。というお話は、どこかでしました。
そして、その手続きが少し短くなる改正が入ることも、どこかでしました。
これが、単独で財産を所有していたAさんが死んだ場合ですが、AさんがBさんと財産を共有していた場合は、どうなるでしょうか。というのが本日の話題です。
この場合も、先ほどの例と同様、同じように「特別縁故者はいませんか??」と公告をするまでの手続きは同じです。その後、誰もいなかった場合、「国庫に帰属する」ではなく、「他の共有者(つまりBさん)に帰属する」が正しいです!!
民法255を見てみましょう。
共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。
これが根拠です。相続人が居そうもない場合でも、上記手続きにより、一応「特別縁故者」や「相続人」を探す手続きをし、誰かが申し出てそれが裁判所に認められた場合は、その人がもらうところは単独所有と同じです。そういうことをしても本当に誰もいない場合で、国庫に帰属するしかなくなった時に、「他の共有者」に帰属することになるのが、共有特有の制度です。
その場合の登記がこちら↓
「 登記申請書
登記の目的 亡A相続財産持分全部移転
原因 年月日特別縁故者不存在確定
権利者 住所 持分2分の1 B
義務者 住所 亡A相続財産
添付書類 登記原因証明情報 登記識別情報/登記済権利証 印鑑証明書 住所証明書 代理権限証書 」
※亡Aが相続人不存在の場合、一度「亡Aから亡A相続財産法人」になります。
この旨の登記を入れたあと、上記登記を入れます。
相続財産管理人が誰のための代理人であるかを明らかにするため、一度法人化するものとするのです。
この登記は、結婚して氏が変わった時と同様、「所有権登記名義人氏名変更」なんですね。
こちらもご参考です。↓
「 登記申請書
登記の目的 所有権登記名義人氏名変更
原因 年月日相続人不存在
変更後の事項 共有者A登記名義人
亡A相続財産
申請人 住所
亡A相続財産管理人 C 」
このお話は、少し難しいので、さらっと聞いていただいて結構です。お伝えしたかったのは
*「相続人不存在+それが共有の場合、たの共有者に所有権が移る」ということと、
*そのタイミング(いきなり移るのではなく、手順を踏んだ上で移る」ということです!!
このテーマでもっと書きたかったことがあったのですが、長くなってしまったので、一度終了します。
ここまでご覧くださった皆様、次回とセットで読んでください!!
おにはそと!恵方巻食べました?無言で!!
いやー、手続き面倒ですね😭
やはり生前に対応しておいてもらわないと残された人が大変なんですね。
もっと勉強します…
コメントありがとうございます!相続人がいないことを本人も自覚して、手書きの遺言があったのですが、記載されてた財産が漏れてた+受遺者死んでたケースを今やってます!
共有で、相続人不存在の場合、他の共有者に帰属するというのは盲点ですよね。
手順、勉強になります!
次のブログも、よく読んでみます!
修ちゃん。コメントありがとう。道路持ち分を近所の人で共有してる時とか、他の共有者に移転した方が実用的ですよね。