会社や法人の登記では、役員の氏名が登記事項です。
謄本をとれば、誰が役員か分かります。
(余談ですが、株主は載りませんので、謄本をとっても分かりません。)
その記載の仕方ですが、比較的最近、旧姓も載せることができるようになりました。(平成27年2月27日から)
氏が変わっても、お仕事上旧姓のままで仕事をしている方も沢山いらっしゃいます。今までのお取引先との関係などで、旧姓もあった方がいいという方の為の制度です。
注意しなくてはならないのは、以下の登記と同時にする場合でないと、「婚姻前の氏の記録の申出」はできません。
※設立登記
※清算人の登記
※役員や清算人の就任登記
※役員または清算人の氏の変更登記
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」甲野花子(乙野花子)
「原因年月日」平成28年12月15日取締役甲野花子の氏変更
このような形で()の中に旧姓を書きます。
今登記されている役員に、ただ旧姓を追加するような登記は申請することができません。(平成27年8月27日まではできました。)
なお、委任状には他の委任事項とは別に項目立てて
1.取締役甲野花子の婚姻前の氏の記録に関する一切の件
と記載します。
「婚姻前の氏の記録の申出」というくらいですから、養子縁組をして苗字が変わった場合には適用されません。
あくまで現在の姓の()書きなんです。
以上、限定的ではありますが、旧姓を公示することが可能です。というお話です。
「ペンネームで登記できますか?」というお話も質問されますが、登記申請には本人確認や印鑑証明が求められるので、その表記と一致していないと難しいです。
先ほどの婚姻前の氏の届出でも旧姓を証明する戸籍などが必要になります。
根拠のない架空の名前では登記はできません。
(ちなみに。。。本店所在場所は、根拠を求められません。架空の場所でも登記できます。。)
今年も1年お世話になりました。良いお年を。というご挨拶をすることが出てきました。信じられない!