約定利率と法定利率、そして金銭債務における損害金

抵当権の登記をみると、
お金を貸した人A、借りた人B、不動産の所有者Bの場合
「債権額」「利息」「損害金」は登記事項です。登記簿の謄本に載ります。


※【抵当権者が保証会社パターン】余談ですが、AB間のお金の貸し借りで、Cが保証会社として入る場合
があります。住宅ローンではCが抵当権を設定する場合も沢山あります。
Cは、万が一Bがお金を返せなくなったら、代わりにAに支払います。
そして、「立て替えた」お金を、今度はBに請求できます。
Bは、本来の債務が払えない状況にある訳ですから、お金は払えませんね。
払えるのなら、立て替えてもらえません。そんな場合に、保証会社Cは抵当権を実行する訳です。
この場合、Cさんがお金を貸している訳ではありませんので、抵当権の登記事項は
「債権額」「利息」「損害金」です。
あなたのご自宅についている住宅ローンの抵当権は、どちらですか。

さて、今日はこの「利息」と「損害金」についてのお話です。
「利息」は利子のことですね。意外に思われるかもしれませんが、「利息をとる」という合意がない限り、無利息が原則なんです。
原則:無利息
 利息をとる約定あり:利率の約定あり→約定利率(当事者間で取り決めた利率)
 利息をとる約定あり: 利率までは決めていない→法定利率(約3%)民法404条

当事者間で利率まで定めている場合は、そちらが優先されます。

一方、「損害金」は別名「遅延利息」と言われたりしますが、これは「利息」とは全くの別物です。
約束した時までに支払いがなされなかった場合のペナルティと思ってください。
通常、約束を守らなかった場合は、それによって発生した損害を補填することになりますが、「金銭債権」にのみ、特則があります。(民法419条)

つまり、金銭債務の場合は、実際の損害がいくらかにかかわらず、
「法定利息」または「約定利息の方が法定利息より高い場合は約定利息」まで請求が可能です。
これは、約束を守らなかった場合のペナルティですから、約束を破られた相手は、約定があるなしにかかわらず、当然に上記損害金を請求できます。
その割合が、原則法定利率であり、例外が「利率の約定までしていた場合」かつ「約定利率が法定利率より高い場合」にのみ、約定利率になる。ということです。

民法の419条に「金銭債務の特則」と書いてある通り、金銭債務は特別なんです。
何が特別かというと、 「約束を守らなかった」ことが、たとえ不可抗力であっても、言い訳ができません。
どんな言い訳があろうと、賠償する責任があります。その代わり、その賠償額については、実際の損害がいくらかにかかわらず、決まった先ほどの利率がその補償になるのです。

ちなみに、法定利率は2020年4月に変わりました。
もともと、「個人間での法定利率:年5%、商売でやる場合:年6%」でしたが、個人でも商売でも年3%になりました。
更に、3年ごとに、法務省令で定められた方法により、利率の見直しがあります。(民法404条)

法定利率はこのように下がりました。逆に上限いくらでも高くしていいかというと、そうではなく、利息制限法や出資法などで、不当に高い利率は禁止されています。
原則、当事者の意思を尊重しますが、弱い立場を利用して不法に高い金利を押し付けるのは倫理上問題ですので、あまりにも不当な場合は法律の介入があります。


【お正月休みの想いでその②】これです↓↓↓本当はクリスマスに作ろうと思っていたのです

組み立てるのが、思ったよりすっごく楽しかった!!ママは夢中になりました。そして子供はチョコまみれです。言い訳すると、一人だったら、もっと綺麗に作れた。

で、あまりに楽しかった(私が)もんだから、先日バレンタイン用のこちらをゲットしました!



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