遺留分請求の順番を指定する遺言

【状況】
私、長男(40歳)、二男(35歳)、妻:私、長男、妻は同居
財産:自宅、預金

私は、自分が亡くなった後の妻の生活が心配なので、遺言を書くことにしました。
妻:自宅不動産
長男:預金

相続人でありながら何も相続できない二男は、遺留分を持っています。(相続人として最低限保証されている相続する権利)

もし、二男が遺留分侵害額請求を行う場合、何も定めなければ、二男は長男と妻の双方に対し割合に応じて、遺留分侵害額請求をすることになります。

ここで、私は、今後の妻の生活を守りたいという想いがあったので、できれば遺留分侵害額請求を長男のみに対してして欲しいと考えました。これも遺言に記載すれば可能になります。

「遺言書
 1 遺言者は、遺言者が有する以下の不動産を妻〇〇に相続させる。
 (1) 土地
     所在、地番、地目、地積。。。。。
 (2) 建物
 
 2 遺言者は、遺言者が有する以下の預金を長男〇〇〇〇に相続させる。
     〇〇銀行〇〇支店の〇〇名義の預金全額
 
 3 遺言者の二男から遺留分侵害額請求があった時には、まず前項により長男〇〇に相続させる財産から遺留分侵害額を負担させるものと指定する。」

【ポイント】
・遺贈や特定相続人に相続させる遺産の処分について、目的物が複数存在する場合には、遺留分侵害請求の効果は、原則として目的物全てに対してその価額に応じて及ぶことになっています。(民法1047①)
・遺言者が当該規定と異なる特別の意思を遺言に表示した場合には、その意思が優先します。(民法1047①二但書)

【遺留分侵害請求をしてほしくないという強い想いがある場合】
・最初から、遺留分を考慮し、その方にも少し分ける内容の遺言にする。
・付言に遺言者の想いを記載し、遺留分侵害額請求権を行使しないよう依頼する。(法的拘束力はありません。)
・本事例のように、請求する場合の請求する相手を指定することができる。

パンを作ったよ~

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