遺言を作成するとき、「遺言執行者」を指定することがほとんどです。遺言通りに手続きを進めてくれる人のことです。
この執行者ですが、最近(2019年7月1日以降)になって、その権限が大きくなりました。例えば第三者への遺贈をする遺言があった場合。もらう人と、死んだ人両方が協力して登記手続きをすべきところ、死んでますから、この人の代わりに「執行者」が当事者として登記をすることが可能です。(民法1012・1015)
以前は、「遺言執行者の職務は顕在化せず、執行者は登記手続きをすべき権利も義務も有しない」とされていました。遺贈の登記の際は、死んだ人の代わりに相続人全員が登場して登記をする必要があったのです。
執行者が当事者となって登記ができる。これは大きなことでした。
同じタイミングで「相続が起こった時に、登記をいれておかないと、承継した人の権利が主張できない」という改正もありました。(民法899の2)
早く登記をいれないと、万が一、他の登記が入ってしまったら、承継した人の権利が守れません。
執行者は「遺言の内容を実現すること」が大きな責務ですから、その意味でも「執行者が登記をする権限」が保証されることとなりました。
時期だけ覚えておいてください。これが適用されるのは改正民法施行以降(2019年7月1日以降)です。
・これ以降に相続が発生したこと
・施行日以降に作成された遺言による遺言執行であること
どちらも条件となります。
なんで、こんなに勉強しても分からないことは永遠に存在するのか。新しい疑問がわいてくるのか。。。