登記は基本的には共同申請です。誰と誰が共同して申請人となるのか、それは「権利を得る人」「権利を失う人」です。前者を権利者、後者を義務者と言います。
どんな登記でも、不動産に関して、権利関係が変わる場合、簡単にいうと得をする人と損をする人がいるはずです。(その対価として現金が動いたりするので、双方考えて損か得かは分かりません。あくまで、不動産に関しては、とお考え下さい。)
所有権移転だったら、権利者:買主 義務者:売主
抵当権設定だったら、権利者:抵当権者(銀行など)義務者:設定者(土地の所有者)となります。
逆に、抵当権を抹消する場合は、なくなって嬉しいのは土地の所有者ですから、権利者:土地所有者 義務者:抵当権者(銀行など)となります。
お気づきのとおり、設定の時の権利者義務者と抹消の権利者義務者は逆になります。
比較的、分かりやすいのではないでしょうか。権利者、義務者という表現が、その登記における当事者のうちどちらかは、言葉から連想しやすかった記憶があります。
余談ですが、昨日TVをつけていたら、ちょっと感動する話が出ていたのでご紹介します。
身体に障害を持った方が、マスク購入のため開店前のドラッグストアに並んでいました。開店すると、勢いよく皆が入っていき、その方は障害のために追い越され、結局買えなかったんだそうです。仕方がないから帰ろうとすると、若い成年が近づいてきて、「これどうぞ」とマスクを差し出してくれたのだそうです。「自分はまだ少し残っているから、これどうぞ」と言って。
やさしいね。温かいね。日本にも、こういう若者がいるんだね。買い物に行って、空っぽの棚をみて、少しやるせなくなった気持ちが、温かくなりました。じいんとしました。