葬儀や納骨、〇回忌などの手続き、そのた死亡による様々な手続きを誰がやってくれるのか。
亡くなった後とはいえ、ご自身のことですから、自分がこうありたいという意思があります。
それを実現してくれるご家族がいない場合に、自分が選んだ人と「死後事務委任契約」を締結することがあります。
この契約には少し気になる点があります。この点も踏まえた条文を契約に盛り込むようにしましょう。
*委任者の死亡により契約が終了しない旨の規定
民法653条に「委任者が死亡すると委任契約は終了する」との規定がありますが、これは
任意規定です。民法に定めがあっても当事者同士の意思が優先されます。
死後事務委任契約は、委任者の死後の事務を目的とする契約のため、当然終了しない旨の規
定が必要です。
*相続人による契約解除
民法651条に「委任契約は当事者がいつでも契約解除することができる」と定められてい
ます。そして委任者の地位は相続人に相続されます。
契約当事者同士が気が変わって解除する分にはいいのですが、相続人が亡くなった方の意思
に反して解除してしまうことが想定されます。
これを防ぐためには、委任者が解除権を放棄する旨の規定が考えられます。
*さて、死後事務委任契約で問題となるのは、報酬の支払いです。
契約の時点で受任者が報酬や実費を預かると、その後場合によっては何年もまだ、事務をす
る前から金銭を預かることになります。
では、実際に死後事務を行った際に相続財産から払ってもらうことにした場合。
もしかしたら、契約時点では十分に現金をお持ちだったのに、その後何かの理由で財産が急
激に減った場合、委任されたけど、報酬をもらえる見込みのない状況に陥る危険性がありま
す。
そんな時有効なのが、「死後事務委任契約のための信託」です。
信託財産は、信託の目的のため、本人の財産から独立して管理される財産となるからです。
本人X、妹A、甥B(妹の息子)の例で考えましょう。
Xは、Bを大変に信頼していました。葬儀その他はBに任せたいと思っています。
その為に財産を信託しました。目的は「葬儀、納骨、法要」です。
この信託の受益権を何にするかですが、「その財産から目的を達成するための給付を受ける
権利」とします。
ちなみに、この受益者をBとすると受託者と受益者が同じ人になるため、この信託は1年以
上継続することができません。
また、もともとXの財産を信託財産として入れて、受益者がAとなると、この時点で財産の
贈与とみなされて税金がかかる可能性があります。したがって、開始時は受益者をXとし、
第二受益者としてAを指定します。
信託では、「信託監督人」や「受益者代理人」など、監督する人を決めることができますか
ら、当事者同士の契約よりは実現可能性が高い契約ができます。
母校。
せっかくなので、色んなことを楽しみ挑戦していきたいと思います。今日も、誘われて新しい場所に行きました。
お誘いがなかったら、自分だけでは絶対行かなかっただろうなぁ。でも、行ってみたら楽しかったんです。そんな発見。