良く相談を受けるのですが、不動産の所有権を、勝手に放棄することは今のところできません。
ところが、持分を持っている場合は、できます。
民法255条 共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。
贈与や売買は契約ですので「あげる」「もらう」、「売る」「買う」の双方の合意が必要です。
それに比べて「放棄」は一方の意思表示のみで成立します。
ABCさんの共有でAが放棄した場合は、BCさんに持ち分の割合で比例した持分が帰属します。
「登記の目的 A持分全部移転
原因 年月日持分放棄
権利者 住所 持分3分の1 B
義務者 A 」
放棄をするのは一方の意思表示ですが、登記はAさんBさん共同で登記します。
*勝手に放棄されても、取得した人には「みなし贈与」税がかかる可能性があります。
*農地が移転する時、通常は農地法の許可がないと移転しませんが、「持分放棄」を原因とする移転の場合、農地法の許可は不要です。
さて、AB共有の不動産を「持分放棄」でA持分→Dへ移転ができるでしょうか?
答えは〇です。実はBさんはDさんへ持分を売却していたけど、Dさんは未登記でした。
登記をするのもしないのも、本人の権利とされていたので、必ずしも登記簿上の記載が実体と正確に一致しているかどうかは分からない訳です。
Dさんは、実は共有者であったというオチです。
この場合、持分移転の前にDさんを共有者にする登記を入れてから申請します。
なんだか、ひっかけみたいな問題で恐縮です。
持分移転は他の共有者に移転するという原則は変わりません。
まだコロナがはやる前、インフルエンザにかかったことがありました。かつてないくらいの気持ち悪さで、3人の赤ちゃんに私しかいないのに、どうしよう~と朦朧と思いながら、倒れてました。子供は勝手にばななとか食べてたのかな。ばななは神ですね。当時は、バナナきらしたことありません。
なんか、ふと、昔のことを思い出しました。