代償分割の条項

前回の記事でお話しました代償金についてです。
当事者間での取決めは何でもそうですが、理屈では双方平等に見えたとしても、実現可能でないと意味がありません。
まとまったお金を何から準備するのか、きちんと検討する必要があります。
現金を準備するために、人によっては銀行の融資を受けます。(当然条件があります)
生命保険の死亡保険金で支払うことも効果的です。(受取人には注意してくださいね)
協議はまとまったのに、支払いができずにトラブルに発展する可能性があります。

そういう意味では協議の段階で「代償金としていくら払う 終了」だけでなく、支払い時期を定めたり、分割なのか一括なのか、どこの口座に振り込むのか、具体的に話し合っておくこともあります。

一般的な契約と同様です。支払い義務が生じるなら期限まで記載する。そうなれば、待つ方も、いつまで待ったらいいのか、明確になります。今はどちらが待つべきで、どちらは義務を履行すべきなのか、権利関係が明確になります。

契約書も協議書も、最終的な目的は、「権利関係を明確にしてトラブルを予防する」ことだと思うのです。明確に「こうかかないと無効」とまでのきまりではありませんが、目的のために必要な事項を、臨機応変に話し合うといいと思います。

【ご参考】代償分割とは、財産を多くもらう相続人から他の相続人へ現金を支払う(これを代償金といいます)負担をつける代わりに、Aが多く財産を相続する内容の分け方のことです。

・相続人Aは、相続人Bに対し、前条の遺産取得の代償金として、金〇〇万円を支払うこととする。
・相続人Bの指定する口座に振り込んで支払う。
・相続人B名義の〇〇銀行〇〇支店口座番号〇〇〇〇〇〇〇に振り込む方法により支払う。
・支払い期限:本件遺産分割協議が成立した後、〇日以内に、(略)
・支払い期限:年月日限り(までに)
・ただし、振込手数料はAの負担とする。
・(前略)年月日より年月日まで、毎月末日限り(末日が金融機関の営業日でない時は翌営業日)、金〇万円をどこどこに振り込む方法により支払う。
・相続人Aは、前条に定める代償金の支払いを怠ったときは、既払い金を控除した残金及びこれに対する年月日の翌日から支払済みまで、年〇%の割合による遅延損害金を付して、Bに対し支払うものとする。

♪MISIA「花」 お気に入りの曲です。良かったら聴いてみてください♪

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