民事訴訟事件②

前回の投稿で、裁判を行う上での心構えのようなことを書きました。もう一つ、ご理解いただきたいことがあります。
それは、裁判では論点が決まっているということです。主張すべき事実は、その論点を裏付ける事実でなければなりません。
今回ご依頼者のお客様から「裁判の席で、これも主張してほしい。これも発言してほしい。」というお話を多くいただきました。いち消費者として、言いたいことを主張したいという想いは良く分かります。しかしながら、お話いただいたことの多くは裁判で主張すべき要件事実とは違ったものでした。
裁判は権利・法律関係の存否を判断するものです。その法律関係は観念的な存在であるため、権利の発生・障害・」消滅の法律効果の組み合わせによって導きます。その法律効果を導くために必要な構成要件として実体法に定められるものが「要件事実」です。

もちろん、要件事実に該当するかどうか判断し、主張を組み立てるのは代理人の仕事です。お客様は、それが要件事実に該当するかにかかわらず、ありのまま全てをお話いただければと思います。ただ、「このこと、裁判で発言してくれた?」「どうして相手に、裁判官にこう言わないの?」とおっしゃるお客様に、少しだけ裁判とはどういうものかご理解いただきたいと思いました。

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