民法の善管注意義務

民法で良く出てくる注意義務についてです。
善管注意義務(ぜんかん注意義務)は「善良な管理者の」の略で、善良な管理者が通常要求される注意のことです。
つまり「職業や社会・経済的地位に応じて一般的・客観的に要求される注意義務」をいいます。

もう少し我慢して聞いてください。

これに対して「自己の財産に対するのと同一の注意」(民法659条)というものもあります。
「自己のためにするのと同一の注意」(827条)「固有財産におけるのと同一の注意」(民法918条)
とも言います。

これは分かりやすいですよね。自分のものに対する注意と同様の管理義務です。

善菅注意義務とは、これよりも厳しい注意義務ということです。

お店の商品を思い浮かべてください。私物よりも丁寧に扱うと思います。
お仕事として報酬を得て責任を追っているケースで、払わなければならない注意と考えていいと思います。

善管注意義務が課されている場合に、それを尽くさず帰責事由に基づいて目的物を滅失損傷させた場合は、債務不履行責任や損害賠償責任が発生します。
これは注意義務違反であり、本人の能力とは無関係となります。

では、具体的に民法で善管注意義務が課された条文をいくつかご紹介します。

【善管注意義務が明文で規定されている主なもの】
・298条:留置権者の留置物保管義務
・400条:債権の目的たる特定物の引渡債務における保存義務
・644条:受任者の注意義務
・1012条:遺言執行者の職務権限

ちなみに、信託法の受託者に課せられた義務も「善管注意義務」です。(信託法29条)

ドラえもんの「どこでもドア」が欲しい。家族は近くにいるのが一番

コメントを残す