「死後離縁」「死後離婚??」と「姻族関係の意思表示」

「死後離縁」という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか?

「養子縁組の解消」のことです。
「婚姻関係の解消」ではありません。

養子縁組をした場合、養親、養子のうちどちらか一方が死亡した場合、養親子関係は当然には消滅しません。
ただし、残った者の単独行為により、離縁をすることができるのです。(民法811条⑥)
これが「死後離縁」です。
これをするためには、「家庭裁判所の許可」を必要とします。

一方、夫婦の一方が亡くなった場合は、婚姻は当然に解消します。
したがって、「死後に離婚?」する余地はありません。

では、婚姻関係によって生じた、夫の血族との「姻族関係」はどうでしょう。
(姻族とは、自己の夫の血族、又は自己の血族の配偶者のことです。)
こちらは、当然には解消しません。
夫が居なくなっても、夫側の家族との親族関係は、引き続き継続するのです。
この婚姻によって生じた夫の家族との関係を終了させるためには、妻が「姻族関係終了の意思表示」をする必要があります。また、その旨を行政に届け出ます。

ちなみに、配偶者が亡くなった場合も、自分の苗字は婚姻中の苗字です。
これを旧姓に戻したい場合は、その旨を届け出ることができます。(これを「復氏といいます」)
これには家庭裁判所の許可も、届け出の期間もありません。
婚姻中の苗字を継続するかどうかは、いつでも選択可能です。

そして、復氏を選ぶかどうかと「姻族関係を継続」するかどうかは、別個に判断することができます。

例えば、妻が結婚により、「東島」から「小林」に苗字が変わったとします。
夫が死んでも、妻はそのまま「小林」ですが、復氏したいとなったら「東島」にすることができます。
(※離婚だった場合は、当然に「東島」に戻ります。でも3ケ月以内に届出をすれば、「小林」を継続できます。)
たとえ、相手の死亡により復氏して「東島」になったとしても、亡夫の義父、義母との関係は継続してます。
「東島さん」と「小林さん」は姻族であり、親族です。
(親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族のことです。)

親族である以上、助け合って、扶養する義務も生じます。

この関係の継続を望まない場合は、「姻族関係終了の意思表示」が必要ということです。
そして、関係を終了したい相手方である、義父や義母の意思は関係なく、残された生存配偶者である妻のみの意思表示で成立するのです。

苗字が変わることと、関係性を継続するかどうかは関係ない!
死亡したら当然に関係が終了する場合(婚姻関係)と、そうでない場合(養子縁組)がある!

というご紹介でございました。

みてみて~。本日のお正月飾りのお花です。まだ、元気。作った時は蕾だったカーネーションがその後咲いて、まだ咲き続けてます!!

少し心残りを残して寝る方が翌日前向きに仕事にとりかかれる件。おやすみなさい。


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