その場限りの登記申請を何とか一人で申請しようとすれば、調べて勉強すれば何とかできてしまうかもしれません。
じゃあ、私達専門家は何のためにあるの?
一つは、トラブルが発生した段階で解決するよりも、事前に対策を考えておくことで、より良い方法がみつかるからです。
おそらく、個人で乗り越えようとする方々は問題が発生した時に初めて、取り組まれる方が多いでしょう。
私達は、状況から、起こりえる困難をアドバイスすることができると思います。
更に、その問題だけでなく、その他の状況を含めて総合的に判断できることも魅力ではないでしょうか。
例えば相続であれば、「不動産の相続登記を入れてください」ではなく、その方の不動産以外の財産も含めた相続財産の処分を検討することで、お客様にとってより良い相続の方法がみつかるかもしれません。
商業登記においては更に顕著で、よく「役員変更の登記を入れてください」と言われますが、その役員を変更することで、会社全体の組織変更など(例えば取締役会設置会社を非設置にする、譲渡制限規定を変更する)に変更する必要が生じる場合があります。会社組織の決まり事は細かく会社法に決まりがあるので、一つの変更がその他の事由にも影響を与えることがあるからです。
お医者さんでも、一つの症状を治すための薬の処方はできると思います。実はその患者さんが、他の薬を飲んでいて相互に影響を与える薬だったり、もしくは一般的には効く薬でも特異的にその方の体質には合わないものだったりすることがあるかもしれません。心の病が体の不調の原因かもしれません。
全体を見渡した対処の仕方ができる、また様々な経験から予測できる、せっかくご縁があったお客様には、専門家としてそんなアドバイスを意識していきたいと思っています。