とあるマンションの一室の登記です。
マンションの〇号室のお部屋の所有権は「底地の入居者全員で部屋の床面積に近い割合で按分した所有権」とセットになっていることが多いです。謄本もお部屋の謄本に、紐づく土地の表記がありますし、そこだけ移転すれば、土地も自然にくっついてくるので、土地の移転はする必要がありません。(分離して土地だけの処分はできません)
これを「敷地権」といいます。
ところが、先ほどの謄本をご覧ください。
建物の建築「昭和50年6月16日新築」←1枚目の右下
「昭和61年7月10日敷地権」←2枚目の右上のところ
建物が出来てから約11年後に初めて敷地権化されてます。
つまり、その11年の間は、普通にお部屋〇号室プラス、建物が建っている土地の持ち分を別で移転登記を入れていたということです。(土地の謄本は、敷地権化されるとその旨の登記が入り、以降歴代の所有者などは載らなくなります。が敷地権になる前は、普通に歴代の所有者(入居者が持ち分で買っていた)の変遷の記録がある訳です)
この不動産の取引が今回ありますが、売り主様(2枚目の☆の方)はこの11年の間に所有権を取得されていらっしゃいます。現在買ったら、その不動産の物件は1つ、権利を証明するための識別情報も1枚ですが、当時は対象の不動産が、部屋1つ、底地それぞれ1つとなります。
そして、、この不動産の底地は残念なことに、15筆あります。15筆の土地の上に1棟の建物が建っているということです。1番から15番までの土地を持分で売り主様は当時購入した訳です。
売買の時は、不動産の売り主が名義人であることは謄本で確認します。(名義人でなければ、他人物売買です。)
それが、今回は、お部屋の謄本の名義だけでなく、それぞれ土地15筆についても名義人であるかどうか確認する必要があります。
そして、そして2枚目の最後の部分「昭和63年法務省の規定により移記 平成12年11月9日」の記載をご覧ください。(緑のところ)この記載は平成12年にオンライン化がされたことを意味します。それまでは、謄本の体裁も随分違いました。オンライン化されて古い謄本は「閉鎖謄本」になりました。
今回確認したいのは、この閉鎖謄本です。それがこちら
オリジナルは、電話帳位のファイルにファイリングされています。これを印刷して製本してもらう×15筆分。通常の謄本とるより少し時間かかります。1冊が分厚くて、15筆分だと結構な量になります。ということで、本日のポイントです。
新築当時から敷地権化されていたマンションは問題ありませんが、事後的に敷地権化されたマンションの取引では、閉鎖など取得の必要がある。
本当にその物件が売り主のものなのか、調査が通常より手間かかりますが、全ての土地と勿論お部屋について、登記を確認して、慎重に進めてください
新潟では良く菊の花を食べます。見た目もきれいだし、私は子供の頃から大好きでした。とっても美味しい。食べたくなってきました。おやすみなさい