前回の記事で「養育費は単なる「お金」ではなく、「お金」に託して「想い」が届けられるもの」と書きました。本当にその通りだと思います。そして、それを初めて読んだとき、すぐ遺言書が頭に浮かびました。遺言書もまた、それに託した「想い」を届けるためのものなのだと常に思ってきました。

遺言書には本来の遺言の内容に加えて最後に付言事項があります。亡くなった方のメッセージです。この付言を読むと急に涙腺がゆるんでしまうことが良くありました。今までの人生を振り返って感謝の気持ちや、残された家族への応援の想いが、まるでお手紙のように伝わってきます。生前お付き合いのあった方なら、なおさらなのではないでしょうか。

付言には、法的効力はありません。しかし、その想いをくみ取って受け取る財産と、分からないまま相続するのとでは、大きな違いがあると思います。中には、同じ相続人同士で遺言の内容に争いになりそうな状況でも、最後の付言を読んで円満になることも多いです。

遺言と共に託された財産は、被相続人の想いと一緒に届くプレゼントになります。そうすることで、残された相続人を励ましたり、応援したり、優しい気持ちにしたり、沢山のものを相続人の心に残します。

あなたも、大切な方のために、遺言を残してみませんか。私も、「あなたのお陰でいい人生だった」と是非書きたいと思います。