法人と個人Aで不動産を取引する際に、法人の代表者がAだった場合、実質当事者はAですから、取引に個人もしくは法人を有利にしたいという私情が簡単に実現できますよね。
ということで、この取引を登記する場合は、「利益相反取引」を承認する法人の決定書(議事録)などが必要になります。
①【株式・取締役会設置会社】
取締役会議事録
②【株式・取締役会非設置会社】
株主総会議事録
③【合同会社】
業務執行社員の過半数同意を証する書面(決定書)
これに押す印鑑や、押印義務者が微妙に違います。。。
まず、①は
・議長(議事録作成者)の法人代表印(議長、議事録作成者が法人代表者である場合)
そうでなければ実印+印鑑証明
・その他出席取締役監査役は記名押印は不要(してるけど)
・Aさんは株主として議決権行使できる
②
・Aさんは利害関係人であるので、決議行使できない(会社法369②)
・Aさんが決議には参加しないが、議長として出席した場合は、法人代表印
・それ以外の取締役、監査役は個人の実印+印鑑証明書
・Aさんは利害関係人なので、議長にもならなかった場合(判例はこれを推奨)には、Aは署名捺印せ
ず、それ以外の取締役、監査役の個人の実印
③
・Aは利益相反取引の承認につき可否の意思表示をする者にはならない(会社法595①)
・Aの記名押印は不要
・その他業務執行社員は実印+印鑑証明
なお、これらの議事録は「第三者の承諾を証する書面」と言われます。
つける印鑑証明は期限はありませんが、還付はされません。