委任契約の特徴

「委任契約」は、実務では欠かせません。
「任意後見契約」「死後事務委任契約」などは、民法の委任の規定に従います。
法律行為ではない事務を委任する場合は、これを「準委任」といいますが、これも民法の委任の規定が準用されます。(民法656条)「業務委託契約」なども、この一例です。
これら、委任契約の特徴をあげます。
次に挙げるのが、委任契約の際に、契約書に盛り込む内容です。
*が2つは最近の民法の改正により明らかになった規定です。

*特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。(民法648条①)
報酬についての定め(報酬の有無、何に対する対価なのか、金額算定方法、支払い方法)などの事項についての定め

**復委任(受任者が更に委任すること)についての規定
 原則自己執行義務を負うが、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ復委任をすることができない(民法644の2①)
 いかなる場合に復委任が可能かどうかの定め

**途中で終了した場合の報酬についての規定
 受任者の帰責事由(受任者のせい)の有無にかかわらず、途中で終了したら割合的報酬が認められる(民法648③)
 報酬に関する規定、算定方法など(例えば日割り計算をする等)

**委任解除による損害賠償請求の規定
 相手に不利な時期での委任契約解除により、相手(委任者、受任者どちらも)に損害が生じた場合の損害賠償義務(やむを得ない場合を除く)民法651②二
 相手方の損害賠償請求の可否や範囲など

従って「任意後見契約」や「死後事務委任契約」でも
*報酬についての定めがなければ原則」無報酬
*途中で任務が終了した場合であっても既にした履行の割合に応じて報酬を請求できることなったこと(民法648条)
に注意が必要です。

おまけ
*「任意後見契約」は、公正証書により作成する必要があります。(任意後見契約に関する法律)
*委任契約は原則、委任者または受任者の死亡によって終了します(民法653一)ところが、死後事務委任契約の当事者は一方の死亡によっても契約を終了させない旨の合意をすることも可能と解されています(最判平4・9・22金法1358・55)

死後事務委任契約は委任者が信頼できる人に自分の死後のお葬式や納骨などをお願いする訳で、亡くなった後の方が大切であるにもかかわらず、お願いした人の死亡により終了していては、意味がありません。。。

余談ですけど、、、
戸籍などを郵送請求する場合に、為替を同封して支払います。
この為替は郵便局で買います。
発行には1枚100円の手数料がかかります。
50円の為替を買っても手数料が100円かかります。
100円の為替を買っても手数料が100円です。

これって、結構な割合じゃないですか。
これが、なんと来年から200円になるらしい。
ゆうちょ銀行の残高証明も料金2倍に。。。
う~ん。








 

This entry was posted in 民法.

コメントを残す