家督相続による相続登記

今日行った現場が、好きでした。
心にとどめて、また頑張ろうと思います。


本日ご紹介するのは、古い相続の案件です。
昭和20年。その時の相続登記が未了でした。

この時代は、現在と事情が違うんです。
相続人が誰で、その中の誰が相続するのか。。
今でしたら、そう考えますが、そういう考え方自体ありませんでした。

旧民法では、まだ、「家督相続」という制度があったんです。(昭和22年5月2日まで)
古い戸籍には良くこの言葉を目にします。
特徴は、相続するのは「誰か一人」のみ。 財産だけでなく、「戸主たる地位の承継」と言われています。
長男がいれば長男です。

「登記の目的 所有権移転
 原因    昭和20年〇月〇日家督相続
 相続人   (被相続人A)
       相続人B   ・・・・」
申請書は、ほとんど今と変わりません。相続→家督相続

【原因証明情報】
として、通常お亡くなりになった方のお生まれからお亡くなりまでの一生分の戸籍をつけますが、家督相続の場合、戸籍にその旨が載っていれば、被相続人の一生分の代わりに、家督相続後の戸籍を付けることで足ります。
戸籍には・いつ ・だれが ・誰の 家督を相続し、その時の本籍地が何であるか 通常記載があります。
それで足りるという訳です。

ただし、今の相続と似た論点ですが、その当時の本籍と登記簿上の住所が一致しない場合、「家督相続のあったAさん」と「不動産持ってたAさん」が同姓同名かもしれないため、それ以前の戸籍をさかのぼって一致するまで取る必要があります。

住んでないところを本籍にできる現在では、どれだけ遡っても叶わない可能性があります。ところが昭和27年7月1日までは、基本的には「住所をもって本籍とする」でした。

仮に不動産の登記を入れた時と家督相続の時の間で転籍していたとしても、さかのぼって古い戸籍をとれば、そこで一致するはずです。

今のように、住所と本籍を結びつけるための、「本籍地入り住民票」や「戸籍の附票」は必要ありません。

また、家督相続があっても、その旨の記載がなければ一生分取得する必要があります。

今日は長男がいる場合のお話でした。
たとえ今登記をするとしても、「相続発生時」が旧法適用期間だった場合は、旧法にのっとって登記がされます。
気を付けないと!


ブリジストンの時は、新潟から来ていました。
絵画を前にすると、絵が訴えてくるような気持ちになります。
メアリーカサットは幼い子供と母のモチーフを沢山描きました。
とてもとても、心に響くテーマだと思います。




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