放棄した場合の法定相続分

皆様。こんばんは。

今日は、遠くでお仕事でした。

埼玉だと思ったら、群馬のとなりでした。

そんな訳で、くたくたです。

尊敬する方と一緒です。
考えてみたら、決済でも、お客様とのご面談でも、同業者の先生と同席の機会なんてない訳です。
こんな機会をいただけて、本当に有難い気持ちでいっぱいです。


本日のお客様は、兄弟相続で、被相続人A、ご兄弟BCDだったのですが、
Bは認知症、Cは財産いらない、という状況です。

大前提として、Bには後見人をつけなくては、遺産分割協議はできません。
その上で、Bのご主人も、財産できるだけ欲しくない。。と。

後見人は、ご本人Bの為になることしかできませんので、後見人がついた段階で、Bが何も貰わないという相続はできなくなります。最低でも、民法で定められた法定相続分はBさんが取得する遺産分割協議しかできません。

で、あるならば、いくらかもらったとしても、返したい。。。
それも難しいでしょうね。繰り返しになりますが、ご本人の財産を減らす行為はできません。

それはおいといて、Cさんです。
Cさんが相続放棄をすると、初めから相続人で無かったことになります。
(ここでいう放棄とは、家庭裁判所に申し立てをする放棄です。)
つまり、相続人は3人ではなく、2人であったということです。

従って、他の相続人の法定相続分も変わってきます。
3人であったら、3分の1ですが、2人であったら2分の1になります。

Cさんが放棄をすると、3分の1でも欲しくないというBさんの法定相続分が増えてしまいます。

そこで、Cさんには、相続分の譲渡をしてもらうことにしました。
Cさんの相続人としての権利をDさんに譲渡する訳です。

Bさん:3分の1、Cさん:3分の1、Dさん:3分の1
→Bさん:3分の1、Dさん:3分の2

こうすると、Cさんの持分がそのままDさんに移転することになります。
遺産分割協議から早めに一抜けしたい相続人がいた場合などは、こんな形で他の相続人に譲渡することで、関わらずに済むことになります。

相続放棄というのは、相続人それぞれが、単独で個別にできます。
家庭裁判所に簡単な書類を提出すれば、よっぽどのことがない限り受理されます。
ですが、それを行うことで、他の相続人へ影響が出ます。
今回のように相続分が変わってきます。

また、もともと相続人で無かったのに、本来の相続人が放棄をしたが為に相続人になってしまうこともあります。

相続の話し合いや手続きは、大変です。
積極的にもらいたい財産があって、その為となれば頑張るモチベーションにもなりますが、欲しくないケースでも沢山の労力を使い、いろんな心配をすることになるんです。

誰も悪くないし、それぞれの立場にたってみると「お気持ちは、良く分かる」。
でも、そういっていても仕方がありませんので、状況を受け入れて進めるしかないのかなぁと思います。
自分が存在することも、ご先祖様があったから。
そのご先祖様のものを引き継ぐことも、いのちをもらったのと同様のこと。
感謝の気持ちで、進めていただきたいと思います。



コメントを残す