識別情報発行の有無②

いくつか前の記事で、識別情報は、新たに権利を得る人がいる場合に発行されるとご説明しました。
ところが、その登記により「所有権」や「抵当権」の名義人になる人に対してでも、100%発行される訳ではありません。
もう一つ条件があります。

不動産登記法21条「申請人」自らが「名義人」となる場合
それが、『権利の名義人自らが「申請人」となって登記がされていること』という条件です。

良く例にあがるのは、不動産の相続で、ABCさん3人が相続人だった場合、「法定相続(民法で決まった一定の割合)」であれば、3人のうち1人だけで、3人分の登記を入れることができます。
Aさんから登記を出したのであればAさんにしか識別情報が発行されません。



さて、現在は遺言の通りに特定の不動産の名義を書き換える相続手続きでは、その財産を新たに引き継ぐ相続人の代わりに遺言執行者自らもが登記の申請人となることができます。

「自らが相続人となる」の意味が分かりますか。
ABCの相続人のうち、Aにあげるという遺言の内容だとしたら、通常Aさんが申請人として登記を出します。Aさんがもし、司法書士に依頼をしたら、司法書士宛への委任状が必要です。

ところが遺言で、「Aさんにあげる」となっており、執行者が指定されていたら、執行者は自らの権限でAさんへ登記を変えることができます。(本人Aさんからの申請も併せて可能です。どちらからの申請でもOKです)この場合、司法書士へ委任する場合の委任状は、執行者から司法書士への委任状です。

この執行者からの申請は、申請人が執行者。でもその名義人はAさんですから、21条の要件を満たしていません。(名義人≠申請人ですね。)
この場合、Aさんは識別情報の発行を受けることができるのでしょうか。

この場合は、「Aさんが申請人でなくても識別は出る!」が正解です。

先日、私が公正証書作成のサポートをさせていただき、遺言執行者になっていた方の登記を出しました。私は代理人ではなく、「本人」として申請人の登記をしました。委任状は不要です。

実際この申請の場合でも、識別情報は発行されました!

識別情報は、その不動産の権利人の証明となり、とても大事な書類です。
識別情報がお返しできずに、ご依頼者様の不利益になるようなことはできません。
良かったです!

「多くの人は愛に、小さなほほえみに飢えている」
「いかにいい仕事をしたかよりもどれだけ心を込めたかです。」
「あなたに出会った人がみな、最高の気分になれるように、親切と慈しみを込めて人に接しなさい。」マザーテレサ

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