遺産分割協議で、実現できないこと

突然ですが、日本で遺言を書いている人の割合はどれくらいだと思いますか?
統計によるとだいたい13%くらいの方が書いている計算になるそうです。

まだまだ、割合としては低いですね。
中には遺言のことは知っているけど、わざわざ書く必要はない=相続人の遺産分割協議で決めてくれれば、それでいい。とお考えの方も多いです。

一緒に暮らしてきたご家族であれば、ご本人の意向も良くご存知だから、わざわざ遺言に残さなくても大丈夫。

ここで、お伝えしたいこと。遺言ではできて、遺産分割協議では実現できないこともございます。

例えばお父さん、お母さん、子供がいて、子供はまだ未成年でした。
お父さんは全財産奥様に渡したいと考えていましたが、あえて遺言にはしなかった。家族がもめていない限り、遺言残さなくても話し合いで解決すると信じていたからです。

ここで、相続が発生すると、まず、未成年のお子さんは本人が遺産分割協議に参加することはできません。そこで、特別代理人をたてることになります。
成年後見や特別代理人をたてて本人の代わりに協議に参加する。
このケースでは、お父さんが考えていたお母さんが全ての財産を相続することは難しくなります。

未成年、意思能力のない認知症の方、などの代わりとして立てられる特別代理人や成年後見人は、原則最低限その方の法定相続分を確保しなくてはならないとされています。

従って、代理人のついた本人が全く財産を相続しないという協議はできないことになります。

どうしても法定相続分の確保をしない協議をする必要がある際は、上申書にその理由とそれを証明するための証拠を付けて家庭裁判所に許可を求めることになります。特別代理人も後見人も家庭裁判所の許可のもと選任される人なので、協議を認めてもらうためには、本人の利益を確保することが条件になってくる訳です。

ということで、お父さんが望む結果の実現が結果的にできないということになりかねません。
たとえできたとしても、手続きの煩雑さや期間のことも考えると、やっぱり遺言を残しておいた方がいいと思います。

帰り道で恩田川を泳ぐ鳥を眺めたら、心が落ち着いてくるのを感じました。川の流れが、、癒される!




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