遺産分割調停による移転登記

遺産分割で、相続人の間でもめて決まらなかった場合、家庭裁判所に調停を申し立てることがあります。「遺産分割調停」です。そこで決まった内容は調停調書となりますが、調停をしたからといって、勝手に不動産の登記をしてくれる訳ではありません。登記手続きはご自身で行う必要があります!

【調停による相続登記の必要書類】
・遺産分割調停調書謄本
・被相続人の戸籍謄本(死亡日が分かるもの。調停調書に記載あれば不要)
・被相続人の最後の住所を証する戸籍の附票又は住民票の除票
(調停調書の被相続人の最後の住所と登記簿上の住所が同じ場合は不要)
・取得する人の住民票

ちなみに、既に【法定相続が入っていた場合】、調停によって決まった権利取得者を登記権利者、失う相続人を登記義務者として原因を「遺産分割」とした所有権移転登記を入れます。

移転ですから、基本共同申請ですが、、調停になったケースですから、義務者の協力が得られるかどうかは少し心配です。。
この場合の追加書類
・識別情報(法定相続を入れた際に発行された識別)
・義務者の発行から3ケ月以内の印鑑証明書
これらを提出してもらう必要が出てきます。

せっかく調停したのに、登記ができないと困りますので、調書をもって権利者からの単独申請も認められます。この場合、義務者側の添付書類である、識別や印鑑証明は不要です。
ただし、この場合、ただ遺産分割協議についてそれぞれの取得内容を決めただけでなく、義務者が「年月日原因〇〇による所有権移転登記手続きをせよ」という義務者の登記意思の擬制が必要です。
これは遺産分割に限らず、判決による単独申請の場合によく論じられます。

裁判所で話し合いをするのは、精神的にも物理的にも、沢山の負担があると思うので、終わるとホッとしてしまうのですが、お手続きは忘れないようにしてくださいね。ご苦労様でした。

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