遺贈の仮登記

Aさんが遺言に、自分がしんだらBさんに不動産をあげると記載しました。これが遺贈です。
遺言に書けば、たとえ相続人でない人へでも、財産をあげることが可能です。

では、Bさんは、将来自分が取得する不動産の保全のために、2号仮登記を入れることができるでしょうか。2号仮登記とは、完全に所有権を取得した訳ではないですが、条件付きで取得を約束された場合などにその権利を登記することです。

答えはできません。なぜなら、遺言はご本人の意思でいつでも書き換えられるものです。とすると、たとえ遺言があったとしてもBさんは確実にその不動産をもらえる保証はどこにもありません。遺言があっても、書いた人が生存している間は、何等の権利をも取得するものではありません。将来不動産を取得することの期待権もないとされています。

従って、できません!(登記研究352・104)

(※遺言書いた人が亡くなったあと、登記に必要な権利証がないために、とりあえず仮登記をしておく。(1号仮登記)これはできます。これは、権利関係は確定した後に、必要書類が無い場合の仮登記の話なので、全く別問題です。)

では、「死因贈与」はどうでしょう?

死因贈与は、死亡によって財産が移転することは同じですが、AさんBさん双方の契約という点が、先ほどの遺贈とは違います。(遺贈はAさんの単独行為です。)

売買予約と同様、契約は成立し、ただ開始に条件があったり、始期があるのです。死因贈与は、普通の贈与契約に効力発生時期を「死亡のとき」とする条件がついているにすぎません。

したがって、2号仮登記が可能です!

「登記の目的 始期付所有権移転仮登記 原因 年月日始期付贈与(始期Aの死亡)

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