先ほどのご相談者様の事例で、叔母様が養子縁組をされた際、せめて叔母様の生前にご相談者様のお気持ちを伝えておくべきだったと思います。でも、相続でもめて苦しんでおられる方は皆、口を揃えて「生前には話しずらかった」とおっしゃいます。ご本人も相続は死後のことですから、そこまで真剣に考えずに、そのままにしている方もいらっしゃいます。そのことで、関係が悪化することを心配するあまり、両者の間でタブーになっているケースが多いと思います。
ただ、いざ相続が開始すると、生前に話し合っておけば、十分解決の道があったのにと思わずにはいられません。残された者は、意見が食い違い、時には本当に残念な争いになることもあります。
遺言は形式が難しいという印象を持たれている方も多いと思いますが、自筆証書遺言であれば簡単に誰でも書けます。公正証書遺言にすれば更に安心です。ご本人も、そのご家族も、今のうちにご検討されることを強くお勧め致します。