前回の続きです。今回だけはシリーズものになっております。(笑)宜しくお願い致します。
「相続人不存在の場合、その財産はどうなるか」というのが、前回のお話でした。
では、「相続人不存在」とは、具体的にどのようなケースか、説明できますか?
「相続人不存在」(民法951)は、「相続人はいるけど、音信不通」「相続人はいるけど、行方不明」とは別の話です。紫のケースは、これは「相続人不存在」とは言えません!
例えば、行方不明の時は「不在者財産管理人」を申し立てますが、同じように財産の管理人がつくという点で、似てますよね。同じように家庭裁判所に申し立てをするのですが、別の制度です。
相続人不存在:相続財産管理人
相続人いるけど、行方不明:不在者財産管理人
前回からお話している「相続人不存在」というのは、その相続人に相続人があるのか否かが明らかでないことを言います。(民法951)
具体例:大きく2つの場合が考えられます。
*戸籍上に相続人たり得る相続人の記載が全くない場合。です。いわゆるお一人様で、配偶者や子供、親、兄弟がいないケース。1人でも、だれか相続人がいれば、「不存在」とは言えません。
*相続人たり得る者の記載はあるが、その者が「相続欠格者」「相続廃除者」もしくは「相続放棄者」もしくは、「被相続人と同時死亡の推定を受けた」場合で、代襲相続人がいない場合。です。
ちなみに、相続人はいなくても、遺贈により「包括遺贈」を受けた者は、相続人と同じような立場になりますから、これは「相続人不存在」とは言えないとされています。(最判平9・9・12民集51・8・3887)
さて、もうお分かりですよね。実際にとてもよくある事例ですが
①相続人が幼い時に生き別れた子供のみ。その後ずっと音信普通で、どのような人生を歩いたのかも分からない。
②一生独身で、一人っ子。唯一の親族はいとこのみでお互い助け合って生きてきた。
①②のどちらが「相続人不存在」のケースでしょう?
答えはもちろん②番です。実際今やってます。長い道のりになります。
①の場合は、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の申し立てをして、管理人がつくところは似ていますが、その管理人が本人の代わりに手続きを進めますので、前回の「特別縁故者」の話にはなりません。
両者管理人を申し立てる時大変なのが、特に相続財産に不動産が多く現金がほとんどない場合などは数十万円~の予納金の納付が必要になることです。不動産を管理するのに、現金が必要になったり、管理人の報酬を支払ったり、費用がかかります。これを払ってまで手続きを進めるには、不動産がある程度の価値を持たないと難しいですよね。
相続の手続きを進めていた「特別縁故者」に立候補しようと思っている人。も「特別縁故者」として裁判所に認められるかどうかは、裁判所が決めるので、認められない場合は、財産を相続することはできません。
その場合でも、申し立て手続きなどは先行して行う負担があります。
そういう意味でも、なかなか大変だなぁと思う次第です。
大好きな、青葉社長の会♡
青葉区に近い川崎とか、青葉区で生まれたとか、何でも含む。ここにいらっしゃらない方も、またお仕事しましょう!!
国庫帰属になるくらいなら遺贈した方がいいですよね。そういう知識は中々難しいとは思いますが…
あと、国庫に帰属した後はどうなるのでしょうか?競売になるのかな?
まだまだ私は勉強が足りません(^^)
おっしゃる通り、ご自身の意思で役立ててもらえる使い道を決めた方が有意義ですよね。遺言残さないと、絶対実現しません!
国有地をたまに払い下げしてもらう話がありますね。あとは、公共のために利用したりもあると思うのです。