一度した相続放棄をなかったことにできるのか??

前回の相続放棄について
原則、相続人ご本人が判断能力があり、ご自身の意思で行うことが必要です。
未成年や後見の場合は代理人が変わりに行うことになります。
第三者によって勝手に手続きがされた場合などはそもそも無効です。

さて、本人の意思でされた場合であっても、「勘違い」「そんなハズではなかった」といった場合に、なかったことにできるのか?それが民法919条にあります。
1項   撤回できない
2、4項 家庭裁判所に申述すれば、取消ができる

「撤回」と「取消」はどう違うのかというと、取消では、その効果が過去にさかのぼって及ぶということです。これを「遡及効(そきゅうこう)」といいます。対して「撤回」は撤回の時点からその効果が及びます。

一度放棄した相続人が復活したら、他の相続人にも多大な影響が及ぶため、可能な場合というのは事情が家庭裁判所に認められた場合のみと考えてください。
その事情として挙げられているのが、・「制限行為能力者」が行った行為である場合や・「詐欺」「脅迫」「錯誤」などにより行った判断である場合などです。

そして、取消ができる期間は「追認ができる時から6ケ月」。または「放棄の時から10年」(民法919条3項)です。「追認ができる時」というのは、例えば「脅迫」されて正常な判断ができないうちに放棄をした場合、その脅迫の影響から脱して、改めて自分の判断で放棄をするかしないか決断ができるようになった時のことを言います。

ちなみに、登記もそうですが、家庭裁判所も、申請や申し立てをした同日に、すぐ手続きが完了する訳ではありません。それぞれ検討した上で、認めていいかどうか審査が入る訳です。その審査期間中で、手続きが完了していない状況であれば、「取り下げ」は可能です。

ここまでくるとなかなかないとは思いますが、たまに「あの人に放棄をしてもらって」と、他の相続人がおっしゃることがあります。たいていその方のことを想っての発言のことが多いですが、放棄というのは他人が決めることではないということは覚えておいてください。実際申し立てをしても、一度裁判所からご本人宛に連絡があり、「本当に本人の意思に基づいて申し立てたものなのか」の確認があります。そのステップを踏まないと、放棄は認められません。

シルバニアのお家で、沢山ついた付箋の上を通る時に「ドレミ」と音が鳴るんだそうです。子供の発想は面白いですね。シルバニアの三つ子ちゃんが沢山いて、三つ子ベビーカーとかベッドとか可愛いんです。

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