報告形式の登記原因証明情報

登記を申請する時は「登記原因証明情報」をつけます。
これは、その法律行為が起こったことを法務局に説明するための書類です。

売買なら売買契約書、抵当権の設定なら抵当権設定契約書、贈与契約書、離婚協議書などがそれにあたります。

ただし、それらの書類は、登記の為だけにつくられたものではありません。ですので、登記には実際には不要な記載も含まれています。

そこで、報告形式の「登記原因証明情報」を代わりに利用します。
(どちらでもOKです)
こちらは、宛先が「○○法務局△△出張所御中」となっており、その名の通り、登記の原因となる事実又は法律行為を箇条書きにして説明するための書類です。

当たり前ですが、「売買」や「贈与」やその他の法律行為を発生させるための要件をきちんと押さえて書く必要があります。
要件事実が全部そろって、一定の法律効果が発生します。
(法律行為ごとに、要件事実が決まっています。)

そして、それらの書類を作るのは、司法書士で、その事実があったことの証拠まで提出することは求められませんが、前提として司法書士が実際にそれらの要件事実を確認して間違いない場合に、その内容を報告するものです。

売買であれば、契約書を拝見させていただくのも、離婚協議書を拝見させていただくのも、その為です。
本当にその事実があったことの証拠を求められないということは、それだけ確認義務が司法書士の職責になっているということだと思っています。

・当事者が本当に本人かどうか(地面師でないか)
・本人がその法律行為を行うことを認識し、その意思があるか
・その法律行為が確実に行われたかどうか

以上3点は間違いなく確認する必要があります。

権利書の紛失で申請につけられない場合、確かに売主が本人であることを司法書士が確認して間違いありませんという本人確認をすることもありますが、こちらも司法書士が確認した結果の書類を作ります。
その権限を与えられているということは、それだけ責任を持つ必要があると改めて身の引き締まる思いです。

追伸:ちなみに、報告形式の登記原因証明情報は写しをつけても原本還付できません。
原本還付とは、その書類が登記のためだけに作られたものではない場合に、一度提出した原本を返してもらう取り扱いです。
それは、「他に使い道がある」からそうしてもらえるのです。
報告形式の登記原因証明情報は、宛名が法務局御中で、登記にしか使えないので、返してもらう必要がないからです。
登記の委任状なども還付できません!

左:子供が、プレゼントしてくれた猫じゃらし。ただの「くさ」が、こんなに大切に感じるとは、驚きです。
右:あれ?しっぽが生えてるみたい?

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