違う世代同士の相続人間における遺産分割協議の可否

皆様、こんばんは。私事ですが、今日もいい一日でした。特別なことはありません。でも、地道にいい一日でした。静かに、そう思える日が幸せです。

これから、暫く、相続の話が増えるかもしれません。
早速いきます。
遺産分割協議について。(遺言などが無かったという前提で)被相続人が亡くなると、その相続財産は相続人全員の共有状態になります。その後、相続人の一部のみに承継させるとか、持分の割合を変えるとか、自然に決まった割合の相続(法定相続)以外のことをしたい場合は、遺産分割協議をすることになります。

この遺産分割協議には、原則共同相続人全員の協議によって行うこととされています。

では、その共同相続人による遺産分割協議をしようとした時に、その成立前に共同相続人の1人が死亡した場合にはどうなるでしょう。その場合は、更にその相続人全員が協議に参加することになります。
相続人としての権利義務が引き継がれるので、「遺産分割協議に参加する権利」も引き継がれます。

そして、決まった協議は、被相続人死亡時点まで遡って効力を生じます。

従って、法定相続の登記がまだ入っていない場合には、亡くなったお日にち付けで、いきなり原因を「相続」とした登記が入ります。

法定相続の登記が入っている場合には、「遺産分割の日」付で原因を「遺産分割」とする所有権移転の登記が入ります。
便宜上2度に渡って所有権が移転したように見えますが、この場合でも「亡くなった日」に遡って効力が発生していると考えます。

少し理屈的で難しいですね。
法定相続(妻2分の1、子供2分の1を兄弟の数で平等に分ける)の登記は相続人の1人からでも登記できるので、皆が分け方について協議する前に誰かがこの割合で「相続」の登記を入れることができるのです。

その後に皆で協議をしたとしても、最初から協議で決まった割合で「相続」が発生したと考える訳です。

亡くなった随分後に、その相続人も亡くなってから、残された子孫が、最初に亡くなった方についての遺産分割協議をする場合など、時系列がぐしゃぐしゃになって少し戸惑いますが、理屈上は「相続人」と一世代後の「相続人の相続人」が一緒に話し合いをして、遺産分割協議をすることで、遡って相続の手続きができるということになります。

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